【朗読台本】常磐橋のたもと

貴方の名前

友を託した君には 何か残すのがせめてもの礼儀だと思い 今、これを書いている 君のことだから何故かと問うのだろう 日頃から持って回った言い草をしていたのは 君がそれを求めていたから 親にさえ話しはしなかったが 私には昔から、そういうのが分かるんだ 気味が悪いだろう？ ああ、全くさ。 ただ思いつく言葉を原稿用紙に書き連ね そこへ在りし日の情景を落とし込む そうして出来た文章はいくら賞賛されようとも 私の心を満たしてはくれない 胸の内は乾くばかり もう、 と、そんなことを言えば君は怒るだろうか 彼には君のことを頼んであるから この金でも使ってまぁ宜(よろ)しくやってくれ 花水木が綺麗に咲いている 君も早々、こんなもの捨てて見に来るといい 〝常磐橋(ときわばし)の袂(たもと)〟 もう分かるだろう？ 私が君たちと出会った場所だ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 人はなんのために互いの理解を望むのか。 理解されなくとも彼にとって彼らは友であり、 過ごした日々は愛おしいものでした。 友「猫」 ▹▸ https://nana-music.com/sounds/05eb36ab 友人からの「君への答辞」 ▹▸ https://nana-music.com/sounds/0645135e お久しぶりです、一葉です❁ 出勤途中、ハナミズキが綺麗に咲いていました。 あや様の素敵な伴奏をお借りしました＊ ありがとうございます✨ #あや伴奏 #朗読 #台本 #声劇 #一葉の台本