寒気立つ街
読み手: 台本:朔
寒気立つ街
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旅人が、ある時、ある場所で、いつか出会った少女の話。
滅びた街の話。或いは──
・企画にて制作した台本ですので#Expresserのタグは消さないようお願い致します。
・一人称、語尾等の変更はご自由にどうぞ。
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「ここは、ここは、寒いまち。」
『だれもいない、寒いまち。』
「ほんとは、ほんとは、違ったの。」
『でも、でもね。みんな皆、いなくなっちゃった。』
「病気が流行ったの。」
『こわいこわい伝染病。』
「だれも、だれも止められなかったの。」
「『誰のせい?誰のせい?』」
「何も知ろうとしなかったあの人かも。」
「何も見てないと嘘をついたあの人かも。」
『みんな皆、見ないふり。』
「それで、それでね。わたしはひとりになっちゃった。」
『だから、だからね。あのこをひとりにしちゃったの。』
「だから、だから、旅人さん。わたしを一緒につれてって。」
『おねがい、おねがい。わたし、もういかなきゃいけないの。』
「『ありがとう、ありがとう!』」
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或いは、生きる人と、生きていてほしい人の話。
......『あのこをおねがいね。』と溶けるように消えていったあの人を、今でも時々思い出す。
#Expresser #声劇台本
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