メアリ、デビュー!?
NAZNA
メアリ、デビュー!?
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今日も嘉嘉仕込みのハラハラドキドキ!豪華絢爛、摩訶不思議な大道芸のショーを繰り広げるメアリ。小さな人間の少女がたった1人で大勢のギャラリーを魅惑する。鳴り止まぬ絶叫、感嘆、賛美の拍手…
「ありがと!ありがと!謝謝!寒い中来てくれて嬉しいネ!皆、また見に来るヨ!メアリとの約束」
真っ赤な大扇子を振り回す度に、何処からか花弁が舞い散る。秋がゆっくりと過ぎ、色を静かに失う街に、活気溢れる華を添えていた。
「メアリちゃーーん!また絶対見に来るね!!」
メアリのファンだろうか?同じ人間の女の子が元気に手を振る。尊敬の眼差しの上にはメアリと同じお団子頭。
「哎呀!メアリとおそろーい!可愛いネ!」
花弁を集めて彼女にフワリと投げた。花吹雪を浴びた少女の頭には、さっきまで無かった小さな蝶の髪飾りがあった。
「きゃぁ!!ありがとうー!」
親の元へ嬉しそうに走り去るのを笑顔で見送った。
大体のギャラリーが去っていった。メアリも帰る為に後片付けに取り掛かろうとした時だった。後から声を掛けられた。
「お忙しい時に申し訳ない!ぜひお話をしたくて」
振り返るとそこにはドワーフの男が立っている。小脇に楽器を抱えている。その後ろには何人もの亜人、彼等もまたそれぞれ別の楽器を所持していた。
「僕らはバンドのメンバーなんです。以前キリエの酒場でライブをさせてもらったんですよ…そうそう!アキネさんのお店です。そろそろ1年経つのでまた場所を借りようと思ったのですが…その時に、こんな素晴らしいショーをしている人がいるなんて気づかなかったな…」
哎呀!とメアリは慌てて説明をした。元々はキリエの出身だったが、大道芸を学ぶ為移り住み、最近戻ってきたのだと。
「なるほど、そうでしたか。ああ、話が逸れてしまいましたね。実に素晴らしい芸でしたが…僕が注目したのはそこでは無いのですよ…」
ドワーフはニヤリと笑った。
「…声です!メアリさん、貴女は遠くまで通る良い声をしている。大道芸人なら舞台も慣れておいででしょう。実はライブに一緒に出てくれるグループや歌手を探しているのですよ」
声?歌?大道芸を見せることばかり考えていたメアリは呆気に取られたが、声を褒められたのが素直に嬉しかった。ついつい心の高揚に任せて口が走る。
「了解!!任せるヨ!!メアリが舞台に上がれば無問題ネ!!」
後先考えず二つ返事で受けてしまった。しかし、音楽ライブとは…メアリは急いで約束した日時までに準備を整え、酒場へと向かった。
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キリエのライブに出場して下さい。アンサーは必ず歌で提出する事。ただし、形式を問わない(コラボ、合唱、ソロ等)
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