冷たい夜に見た夢【ジーグ】
NAZNA
冷たい夜に見た夢【ジーグ】
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考えてみれば、少し迂闊だった。秋と冬の境、夜は日に日にその寒さを強めていた。今日も暖を取っても冷える手足。窓から冷やされた空気が流れる。
「…あーー…くっそ!…ダルい…」
頬を赤くしたジーグがお茶の入ったカップを握っている。連日の冷え込む夜、そして寒さに弱い獣人…の中でも最も寒さに弱い爬虫類の獣人…考えてみれば、やはり迂闊だ。
熱中すると周りが見えない性格が仇となった。ランダから受け取った神のリズム、泪の器を砕いてはめ込み、魔法を流す。器の形状で失敗はあったものの、綺麗にはめ込めた今、百発百中で魔法は意志通りリズムを打ち込まれた小さな板を流れる。これを銃の憑神交心の呪詛と連携させて、魔法銃の装置に組み込めれば…いつまでも見えなかった「完成」がついにこの目に見えてきた!なりふり構わず連夜の時間を費やしてしまった。それがどれだけこの体の負担となっただろう…ガンガンと痛む額を擦りながら後悔する。かなり熱い…完全に風邪をこじらせた。
「銃が進んだと思ったら、今度は自分かよ…はぁ…なんだかなぁ…」
悪態をつきながらベッドに深く潜り込む。頭痛に耐えながらうつらうつらしていると、目の前で花火が舞う。…いや、花火ではない、これは…
「…かみ…なり…?」
熱にうなされて幻覚を見ているのだろうか?体にビリビリと電流が流れる感覚までしてきた。
「古より詠唱にて力を共にしてきた。しかし、我がカミツキよ、お前は吾輩の神格を道具に託そうとする。さて、それを成す道すがら、お前は何を思う?」
バリバリバリ!!自分の中から雷が生み出されているかの如き戦慄き。目を開くとそこには槌を握りしめた自分と同じ姿の人物が立っていた。
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風邪を引いた夜の夢の話を教えて下さい。
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