世界樹の麓の街【ヤミィ】
NAZNA
世界樹の麓の街【ヤミィ】
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「きぃい!なんなのよ!これは本来副猫の仕事なのよ!」
プリプリと怒るヤミィが、まだ寒い午前の出張所に現れた。話を聞くと、バドンでの思い出話に花が咲いてしまったようで、ヤミィと従業員の開店作業が大幅に遅れてしまったようだ。お土産を手に興味津々に聞くスタッフ達と会話を楽しむヤミィの間に、怒り心頭の副長が割り込んだらしく…
「事務作業をお願いしますって、私をサロンから追い出したのよ!?きぃい!事務作業は彼女の仕事なのにぃ!鬼!悪魔!化け猫ぉ!!」
苦笑いを浮かべつつ、提出された書類を整理するニフ。従業員を抱える店舗はキリエでは珍しい。出される書類もなかなかの量だ。ヤミィの愚痴に相槌をしながら、チェックを進めていたニフは不意に声を上げた。愚痴に水をさされ、ヤミィは不機嫌そうに横目でニフを見やる。
「あ…えっと、ごめんなさい。ヤミィさんの書類を見てつい…。ヤミィさん、キリエに住み出したのは、十数年前のちょうど今日だったんですね」
その言葉に怒りを忘れて、あ…とヤミィも声を上げた。そうだ、この街に腰を据えたのはちょうどこんな寒い朝の日だった記憶だ。
「キリエ住民としての記念日だったんですね!なんか嬉しくなっちゃって…。ごめんなさい、話はちゃんと聞いてましたよ!!」
眼鏡を直しながらアワアワと言い訳をするニフがなんだか愛らしかった。
「…とは言え…ヤミィさんは世界を翔けるメイクアップアーティストだったんですよね。何故、世界を巡るのをやめて、キリエにサロンを建てたのですか?」
真っ直ぐな疑問が眼鏡の奥からヤミィに問いかけた。ヤミィはカウンターに寄りかかり、サラリと下ろした金髪の髪をかきあげて、微笑を浮かべた。
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キリエに移り住んだ理由をお教え下さい。
尚、このアンサーはどんな形式をとっても構いません。(コラボ、音源、声劇、語り等々)
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