掛け合い声劇『流すのは一縷の涙だけ』
柊:田中ゴリラッパ 珀:炭酸水 伴奏:rito様 台本:こだぬき
掛け合い声劇『流すのは一縷の涙だけ』
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『誰か、いるか?』
「おかえり、柊。よく、よく無事で…!」
『そこにいるのは、珀…か?…』
「…それは、返り血か?」
『あまりに腹が減って、赤犬(あかいぬ)を喰った』
「…ああ」
『それだけでなく、私は…!』
「もう何も言うな!…何も、言わなくていい」
『珀、…怖い。僅かな光すら』
「畑仕事なら俺が代わる、飯炊きだってする」
『ッ…違う、違うんだ!』
(柊、棚上の包丁に手を伸ばす)
「何をする気だ!」
『私は獣になりさがってしまった、
此処に居たら、珀…お前にまで何をするかわからん!』
「俺は!……お前に、死んでほしくは…ない…
例え村から追い出されたとしてもそんなもの構わん、居場所を見つけになら何処を回ったっていい!
死ぬな…死なないでくれ、この通りだ…ッ」
『っは、はは……お前を殺めたくない…それだけの願いすら私には叶えられんのか』
「柊…待ってくれ、頼む、行かないでくれ!!!」
『お前達が与えてくれたこの生活…案外楽しかったぞ』
「……俺は、絶対に見つけにいく…迎えに行くからな!」
『そう言ってくれるのは、お前だけだよ』
(柊、雲のように消える)
「…それから、幾年たった頃だろうか。
人里離れた山奥で隻腕のマタギが見たものは
大輪の花々に囲まれ優しき笑みを湛(たた)えた
一体の骸(むくろ)だったという」
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コメント
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- こだぬき 🐈⬛(リボルバー)ソーダさんありがとうございます! どれだけ泣かせてくださるんですか… 語彙がもっと無くなる…切ないサウンドとして形にして下さり嬉しい限りです!