キリエ御一行様ご案内
NAZNA
キリエ御一行様ご案内
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「はい、ようこそ…また貴方ですか?話は先程お断りした筈ですが…」
普段からあまり強く出れないニフが困り顔で慣れない台詞を吐いた。そこには褐色の肌の半神。
「はぁーーーん!酷いよぉ!まだ何も言ってないよぉ!これだから大陸の人は怖いって皆言うんだぁ!仲良くしようよぉぉお!」
ベソベソ泣き言を漏らす男。後ろから深いため息が聞こえた。
「お前、本当にちゃんと交渉する気があるのか?そんな事を言ったら先方に嫌な思いをさせるだろうが…。失礼しました。お久しぶりですね、ニフ先輩。僕の街を理事会加盟国にする際、ご尽力頂き本当にありがとうございます。あの日の恩、理事会での仕事を教えてくださった事…今でも忘れません」
白いターバンを揺らせ、こちらも褐色の凛とした青年が声をかけた。
「…!レオさん!?遥々キリエまでいらしていたんですか!?言ってくだされば…!…ん?それより、何故ここに?お2人は…??」
混乱するニフにレオは説明をした。突如出張所に現れ旅行を提案してきたこの謎の男、アラタと自分は昔から国交がある旧知の仲である事。そのアラタに、キリエへの島の売り込みを一蹴された事で相談があった事…
「な、なるほどです…そんな関係があったなんて…とはいえ、バドン島観光ツアー…でしたっけ?流石に国交のない島国、まして理事会加盟していない街に、キリエの皆さんを二つ返事で行かせる許可は出せません…私が同行できるならいいのですが、理事会員が少ないキリエではそれも出来ないし…」
「あああああーん!!どーしよーー!バーちゃんにめちゃめちゃ怒られるよーー助けてレオーーー!」
「…頼むから、少しの間黙ってくれないか…!!…ニフさんの言う事はごもっともです。キリエとバドンには国交がない。しかし、我々にはある。そして、我々は理事会加盟国であり、僕は理事会員です。…どうでしょう?キリエの全ての方に旅行を提案する前に、数名だけご招待するというのは。そこで旅行者の意見を元に判断する方が納得行くかと思います。しかし、ニフさんはキリエを出られない…なので」
レオはターバンを外し胸に当てた。漆黒の艶のかかった美しいウエーブが露になった。
「理事会員である僕が皆様の安全の為、共に参ります。そこで何か起こった場合、全ての責任は僕と僕の街が受けましょう」
「え!でも…レオさんの街にも理事会員が居なくなっては困るのでは…!?」
「僕の国には古くから民を取り仕切る一族が治安を守っています。彼らと理事会が協力体制で街を運営していますし…実は元々…休みなんですよ」
休み…だと!!??ニフの顔が今まで見た事ない程複雑な表情を浮かべた。長期休暇…それはきっと、現世では存在しないゲヘナの神話だと思っていたのに!?
「…如何でしょうか?新たな国交が結ばれるのは危険もありますが、非常に魅力的な話でもあります。僕がこの島の安全性を保証します。どうか、ご検討ください…」
「…ニフちゃん、だよね?お名前。僕の島、半神は僕の一族しか居なかったんだ。魔法も使えないし、寂しかったけど、こうやって街のために働いて、友達沢山いる半神も居るんだね。正直、すっごく嬉しかったよ!」
…パタン…。プレゼンを終えた2人は出張所を出ていった。不安はある。大好きなキリエの住民を見知らぬ所へ行かせるのは大丈夫なのだろうか…でも…ニフは花祭りの事を思い出した。白黒の街に、疲れきった皆の顔…すっかり元気を取り戻しているが、もっとゆったり出来たら、それは素敵な事…。最後に嬉しいと言ったアラタの笑顔が頭を掠めた。…信じてみてもいいかもしれない…。
数日後、出張所の前に見慣れぬ看板が立っていた。
「常夏の島、バドン島ツアー。体験者募集! 新たな国交を結ぶ前段階として、視察の為にバドン島へ行ってくださる方を募集します。但し、申し込みの際はペアで申し込む事。皆様のご参加お待ちしてます」
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バドン島ツアー参加者を募ります。出発はまたサウンド公開にてお知らせします。参加される方はペアを指名して、このサウンドのコメント欄にコメントをください。ペアはメンバー同士、NPCでも構いません。(ただし、ニフは除外する)
コメント
6件
- ゆゆら@みるぷろ
- カミツキ街キリエの商店街
- ゆゆら@みるぷろクラスメイトの獣人くんとメアリで参加お願いします。 (遅くなってごめんなさい💦)
- fixフィー、みりんで参加しますー!\( ˙꒳˙ )/
- ひよこ"ε(。•ө•。)з"シノとちぇりで参加します✨(*・ω・*)wkwk
- yummy*ヤミィ&ジーグ、参加しまーすスキップスキップ♫