珍しいものを仕入れたが…【ジーグ】
NAZNA
珍しいものを仕入れたが…【ジーグ】
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イヤに人懐っこい常夏のブースで目的のフルーツを手に入れたジーグ。もっと見つかるのに時間がかかるだろうと、1日予定を空けてしまった。せっかくだから、食べ物以外のブースも見よう。
「ってなったら、やっぱあそこだな」
何となく物騒なブース。警備のためかキリエの門番が多く彷徨いている…そこで売られているのは、刃物、火薬、鈍器、弓矢…武器屋ブースである。売る方も買う方も皆イカつい連中ばかりだ。
珍しい武器もあるが、元より好きな物にはのめり込むタイプのジーグ。殆どの武器は作ったり触れたりしたものばかり。それでも、各職人の業が見れて満足そうなジーグ。さて、そろそろ終了時間だ。帰ろうとした時だ。
夏のキリエに不釣り合いな、毛皮の防寒着を纏った店主が座っているブースが目に飛び込んだ。敷物も毛皮。世界樹の高台か、山間部の寒い地域の店なのだろう。アラタの店同様、遠方の商品が見れるチャンスだ。最後にジーグはこの店を選んだ。
寒い地域は呪詛を併用した武器作りが盛んだ。金属等の攻撃力の高い武器より、骨や石などが多く使われ、追加能力と共に攻撃する事を考えた武器が多い。飾りも綺麗で、小柄な種族や女性に人気が高い。
銃の参考に二三買っていこうか…そう思い物色していると、 敷物の重りかと思われた黒い塊に値段がついている。酷く無愛想な店主に聞くと、彼らの聖地で出土する物らしいのだが、冬の主の泪という宝石をとる時の副産物らしい。聖地のものなので無下にも出来ないが、どうも用途を見つけられないままでいるそうだ。
…冬の主の泪…四季の主の名をもつ、非常に美しく魔導価値の高い宝石だ。そこで取れる謎の塊…ジーグの探究心をくすぐるには十分だった。
「なぁ、それ1つ貰いたい」
ジーグは財布を取り出した。
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謎の塊を解明してください。
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