ショパンと氷の白鍵
まふまふ/キャプション:スライムてきながくせい
ショパンと氷の白鍵
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#七色連歌 #白波のさざめき
佐倉真冬:想空葵
ぼくの世界は暗くなった。
視界が暗雲と死に包まれ暗くなった。
部屋への光を遮って暗くなった。
過去を語るのはこの辺にしたい。
でも結局、今を語ってもしょうがない。
冬の夜のように、乾いて、闇に包まれて、寒い。
ずっと同じ道。ロマンティックな雪の降る夜なんてこともない。ぼくの道はそんなものだ。
だが、灯火はある。七色の灯火が。
追憶を重ねてしまう、明るい灯火が。
大量の音が日常を"描き"消す。
画面に浮かぶ複数の光が視界に色を"移す"。
そして、声が。
声が、ぼくに"想い"起こさせる。
あるいは、そこにいるのは、幸せを歩く頃の、あいつなのかもしれない。
虚しくは思わない。
自分の今を見つめるより、ずっといい。
例えそれが、あいつと歩いた世界でなくても。
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