月陽-ツキアカリ
みきとP
月陽-ツキアカリ
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魔法サロン「Marin Crime」には七つの扉がある。
それぞれに特化した魔法を使うため、依頼人は願いに合わせてそれぞれの扉を叩く。
ーーー 第2の扉 ーーー
ここは、物体に対する願いを持つ依頼人が多く訪ねる部屋。
どんな失くしものもたち所に有にする召還魔法や物体の複製魔法を得意とする『アワリティア』ー。彼女の居室である。
今回は一体、どのような願いが
聞き届けられるのだろうか……。
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Avaritia
「
いらっしゃいませ。どうぞ、そちらにおかけになってください。
あら、すいません。モノで溢れ返ってて驚いたでしょう?
私、収集癖があってつい。
自分で頼んでいるのはいいんですけどなかなか興味深い品が多くて、どれも仕舞うにしまえず……
……ああ、話が逸れました。
本日のお願い事を、お聞きしましょう?
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なるほど?おばあ様の形見である、黒真珠の指輪を失くされた。
それも、よりによって遠出をなさった日に……?
普通なら、そんなに大切なもの持ち歩かないのでは?まぁ、肌身離さずお持ちになりたかったんでしょうけど。
……わかりました、もちろんすぐに見つかりますよ。
ああ、魔法を使うにあたってあなたの髪の毛を一本ください。
なぜって、髪から記憶を辿るんです。
髪はその者の魂の記録媒体みたいなものなんですよ。
さぁ、あなたの後も依頼人が来るので、ご協力お願いしますね?
準備を行う間、こちらの契約書にサインをお願いします。
」
依頼人は、その所狭しと調度品が並んだ部屋を横目で伺いながら、ビロードの様な手触りの高そうな契約書へと視線を下げる。
"月に一度調度品の献上を"という誓約を目にし、この部屋に溢れ返っている品々は、対価なのだろうか。だとすればそうとうな数であるなあ、と内心ごちながらサインを済ませる。
同じ頃に、魔法の準備も終わりを迎えたようでアワリティアが対面へと戻ってくる。
魔法を開始する手順を教えられ、そのまま魔法を施される。
彼女の魔法はふわふわと光がたちのぼり、それが外へ続いていく。少し頭がぼうっとなるような、なんとも不思議なものだった。目を閉じてと指示をされ従えば、目の前がとても明るくなった心地がした。
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アワリティア
「
さあ、目を開いて。
さがしものはこれでお間違いありませんね?
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お礼は結構ですよ、仕事ですから。
それでは早速、対価のお話をしましょう。
契約書にもあった通り、私は
"調度品の献上"を求めます。
どういったものでも構いませんが、品質はきちんといいものを。いくら歴史があるからといって、粗悪品を贈られても困りますし、この場合契約違反となります。
違反の場合は、魔法の対象物だったものをこちらでいただきますから、忘れることのないように。
近頃は陸から入ってくるという、象牙なるものが気になっておりましてね。
そちらが手に入るようでしたら、次回からのご依頼は、優先的にお取りしますよ。
あなたのご出身は、珊瑚の海でしたね?まさしく調度品の都。腕のいい職人たちの素敵な品を、お待ちしています。
それでは、また何かあればぜひ。
」
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『強欲』のセイレーン
~avaritia(アワリティア)~
cast:nagihttps://nana-music.com/users/2014957
・少しツンとした印象
・しっかり者でハッキリとした性格
・探求心が強く学者肌
・とにかく物欲が尽きないので、館内はもはや博物館レベルにたくさんのものが溢れている
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