路地裏x辻斬オールスター「LOVEマシーン(updated)」
秘密結社 路地裏珈琲
路地裏x辻斬オールスター「LOVEマシーン(updated)」
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路地裏珈琲x辻斬茶寮
企画開始直後は一触即発のライバルだったけど、一年経ったいまではお聴きの通り。このとんでもなく素敵な歌声を聴いていただいたら、どれだけ仲良しになったかは説明要らずでは?
そんなわけで、歌詞わけと録音してもらったフレーズを頼りに、女の子と女の子の甘酸っぱい短編集にしてみました。こんな世界線も、もしかしたらありえたのかもしれません。
短編集;Love machine
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茶寮の売り子時代に、アイドル活動の真似事をしていた頃、浅葱の化粧を請け負っていたのは美子だった。自分でやらせると、適当に済ませてしまうからって、毎回毎回、控室で“おすわり”を言い渡していた彼女と、またこうして一緒の舞台に立つことになろうとは。
「おねぎ、このリップもう辞めな、似合わない」
絵付けでもするように、美子が筆でひと塗りだけした淡いピンクのリップ。それを、さっさと拭ってしまったら、人形のような浅葱の形良い唇が、ひくりと縮んで強張った。
「...十七、八の娘ってのは、ちょっと見ない間に大人んなっちゃう。あたしの貸したげる」
“頬に、唇に、林檎は色気付く”
美子x浅葱
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あの頃は、アイドルやってますって自信を持って言えなかった。
まあ、週一で。それも、お店のちょっとした前座で...って、トーンダウンしてた。
それってアイドルのウチに入るの?ってわざわざ聞いてくるやつに、なんて返していいか分からなくて、笑顔でごまかしていたら、ある日ケネちゃんがアイドルのルールを決めてくれた。“人を1秒でも笑顔にしたら、アイドル合格”だって。
だから、その日からずっと、ケネちゃんは私のアイドル。
“自分で言うくらい、タダじゃない?”
ケネディx空蝉
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「......なに、テル坊ビビってんの?」
いきなりアイドルだなんて、って。引きつる口角を指で伸ばしていたら、背後から、一番怖そうなセンパイ認定していた彼女が抱きついてきた。
「あの、こういうの初めてで...でも、ちゃんと本番は!」
「無理に笑わなくていいよ、クールにやろう。君の役割はまだない」
“だって、これから作ってくもんでしょ?”
背中越しの静かで熱い、その言葉で、彼女が紛うことなきアイドルだって思い知った。
“青い炎で燃やして”
茶里xテル
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芸の肥やしになるんやったら、恋のひとつやふたつやったらええやん!とかなんとか、番頭が言うものだから、三人で額を突き合わせて私たちは考えた。まずは好きの予行演習。一回味わってみなきゃ、どんなものかも分からない。
「悼、鬼灯ちゃん、すーき!」
「私も鬼灯ちゃんのこと、あいしてる」
「ええ、私は......違うなあ」
“だって、だいすきなので!”
双子が一瞬口を真一文字に結んだ後、ずるいと叫んで顔を覆った。
”恋は案外、お隣に“
鬼灯x双子
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楽屋でファンサの練習をしている時、銀ちゃんにウインクの仕方を教えてあげた。これは相手に大好きだよって伝える合図だって教えたら、彼女はシパシパ、何度も瞬きしてみせる。それで、ちょっと言っていることが難しかったかと聞いてみたら、大好きなので、両目でたくさんウインクしたって、直球で返ってきた。
私は無償に愛おしくなって、抱き寄せた血の気の薄い首筋に、小さな赤で印をつけた。
「アキ、これは、なに?」
「他の誰より、銀ちゃんが好きって合図」
”好きの形“
秋那兎x白銀
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幕が上がるまで、こうしていよう。暗がりの中、三人でこっそり手を繋いでいた。コーラスみたいに、明確な言葉はなくたって、気持ちはちゃんと伝わるもの。姐さんの手とりくちゃんの手が、良く似た強さで羨ましそうに私の手を引いている。この指先のやるせなさを知っているのも、甘さを知っているのも、私だけ。そして、秘密の恋を延命するためにするべき事はただ一つ。
前を向いたまま、一言、宛先の無い“だいすき”を囁いた。
”世界が羨む恋をしよう“
姐さんxりくx星干し
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以上、総勢13名のみなさん、ご参加ありがとうございました!
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