ぽっぴっとドリンク
ラマーズP feat.初音ミク
ぽっぴっとドリンク
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目をまん丸に開いたメアリが笑顔のままニフを見つめる。ニフもドリンクを掴ませたまま見つめる。妙な間…。メアリは片手で腰カバンを漁ると水筒を取り出し、カツン!とカウンターに置いた。
「哈哈!まさかニフも元気ジュース作りやてたカ!奇遇ネ!メアリも毎朝作て研究してるヨ!」
まさか過ぎる展開。今度はニフの手にお手製ドリンクを掴ませた。急な切り返しに、ニフが固まる。さっきまで自分が人に施した事であるはずなのに、いざ自分が直面すると…手に握らされている緑…っぽい色のドリンクに身震いする。
「さ、飲メ!ニフ好きでショー??」
訛り故のうっかり命令口調…弾ける笑顔…。そこにはニフ同様、微塵も悪意が感じられない。同じ趣味を持つ同士を見つけた喜びがそこにあった。
カウンターにはふたつのドリンク。どちらかと言えば黄色っぽいかもしれない色のドリンクを見つめるメアリと、なんだろう…きっと緑であろう色のドリンクを嗅ぐニフ。光にかざしたり、嗅いだり、回してみたり…失礼なほどの観察を互いのドリンクにする。この2人の姿を外から見たら、いったい何をしているのか分からないであろう。
「サラサラのドリンク。匂いはフルーツっぽい匂い…カナー?やぱメアリの作るのと全然違うヨ!何で作られてるカ?」
「かなり粘度が高めで、スムージーよりフローズンドリンクみたい…つぶつぶしたものが入ってるのも見えるし…香りは植物系の中に何処と無くこってりした香り…むむむ…興味深いです!」
あーでもない、こーでもない…2人は品評会を初め出した。一段落して、目を合わせてまた笑い合う。部屋に響く空笑い…。
「…の、飲みますか…」
「…せーので飲むネ」
覚悟を決めた2人、笑顔は消えていた。…行くしかない!ぐっとドリンクを握り締める。
「せーの!」「せーノ!」
グビィ!!
「ぽぴーーーーーーーーーーー」
出張所が面する通路を歩く人々が、建物から漏れ出る声に、一斉に振り返った。言葉としては聞き取れず、叫びにしては滑稽な声だった。
「酸!!酸ーーーー!!!」
「はぁーーーースースーしま…はぁーーーー!」
頬が痛くなるほどの酸味に、顔をクシャクシャに窄めるメアリと対照的に、目も口も全開で痛い程の清涼感に悶えるニフ。誰もこの部屋にいなくて良かった…本気で2人は思った。
「めちゃめちゃしゅっぱい二ェ!ニフ、にゃにでちゅくった…んん?」
「んはー!まだ口に風が吹いて…すはぁぁあ!…んんん??」
しばらく悶えていた2人の動きが止まった。
「なんネ!?体が軽く柔らかくなた気ガ…しかも、口の中が甘くなてきたネ!」
「なんでしょう?つぶつぶを噛み砕く度に甘みが…何となく清涼感も感じにくくなってちょうど良い感じに…。飲みごたえもあって、お腹いっぱいになります!」
おおお…と互いのドリンクを見つめてまた1口。ぽぴーー!……おおお…!ぽぴー!…ほほぉ…。謎のローテーションを繰り返す。何だか不思議と癖になるような味。
「不思議な味わい!是非レシピを教えて下さい!」
「メアリのお庭に勝手に生えてきた水玉薄荷だヨ!スーっとしてメアリ好きネ!それに嘉嘉からもてきたカリカリの木の実をすり潰して、ミルクで混ぜるネ!朝ごはん要らズ!とても美味しいヨ!ニフのはどーつくたカ?教えるネ!?」
「成程成程…さしずめナッツミントスムージーですね!あ、私はですね、アグルさんが東の国へ行った際に貰ってきた梅って実を分けてもらったんです。なんでも酸っぱさは暑い季節の疲れに効くのだとか。さらに花祭で余った酸っぱいフルーツを一緒に絞って、丁寧に漉して、世界樹の湧き水で整えたんです!」
刺激で目が冴える2人。今日も元気に乗り切れそうだ。互いのドリンクを称え合う。次は合作を作って皆を元気にしてあげよう!…端で聞いていたらすぐ止めに入られそうな約束をして、メアリは楽しそうに出ていった。
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賽子クエスト 成功
リザルト
クリティカル 3
確率 5/6
オーバーキルワード 無し
クエスト上限が3になりました。
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