聖女の救済 238〜239頁より
東野圭吾
聖女の救済 238〜239頁より
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気まぐれで朗読をもう一つ📖
若干読み間違えを見つけてしまったけど大目にみてください🙇♂️
本当はこの後の話が大切なんですが、ネタバレになるとアレなので是非読んでください←
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「恐竜の化石と言えば骨だろうと君は言ったが、その思い込みにこそ重大な落とし穴が潜んでいる。それにより多くの古生物学者たちは、貴重な資料を大量に無駄にしてしまったんだ」
またその話かと思いながらも、草薙は付き合うことにした。
「博物館で見る恐竜の化石は、全部骨だったぞ」
「そう。かつては骨しか残さなかった。残りは捨ててしまっていた」
「どういう意味だ」
「穴を掘っていったら恐竜の骨が見つかった。学者たちは喜び勇んで掘り出す。骨についた土を綺麗に取り除き、巨大な恐竜の骸骨を作り上げる。なるほどティラノサウルスは、こんな顎を持っていたのか、こんなに腕は短かったのか、という考察を始める。だけど彼らは大きな過ちを犯していた。二〇〇〇年、ある研究グループが、掘り出した化石の土を取り除かず、そのままCTスキャンし、内部構造を三次元画像にするということを試みた。するとそこに現れたのは、心臓そのものだった。それまで捨てていた骨格内部の土は、生きていた時の形をそっくり残した臓器などの組織にほかならなかったというわけだ。今では恐竜の化石をCTスキャンするのは、古生物学者たちのスタンダードな技術となっている」
#ちょっといじったBGM #シリアス #BGM
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