声劇台本:「情報屋」での一幕
情報屋の男(name)
声劇台本:「情報屋」での一幕
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*〈──〉または〈()〉の部分は読まなくていいです。
──叩き潰された木製看板の下を潜ると、薄暗く寒々しいオフィスに一人、無精髭の男が座っていた──
よう、あんた、「都市」に来るのは初めてみたいだな?
大方外の砂漠から、文明の残り香を求めて来たんだろうが……。
(男は破けた事務椅子に背をどかりと預けた。金属の軋む音がする)
あんた、腕っぷしに自信はあるか? オーケイ、あるみたいだな。なら、その自信は早く捨てた方がいい。
ここに徘徊してるバケモン……特に機械の怪物には、非力な人間の腕じゃ太刀打ちできやしねえ。分かったか? よし、聞き分けのいい奴は好きだ。長生きできるぜ。
ここじゃ、なんでも頭使って利用してかなけりゃあ、「路地」で血の一滴も残さず消えるのがオチだ。あんたが長く生き残って、ウチの情報を買ってくれることを祈ってるよ。
それじゃあ、商談に移ろうか。さっきのレクチャーはタダってことにしていいぜ。何の情報が欲しい? 取り敢えずは、住居だろうな。いい穴蔵を知ってるぜ。あんたの出す金次第だがな。
──男は椅子から立ち上がり、テーブルに据えられた革のソファに座った──
〈終了〉
進みすぎた文明によって、秩序が何もかも崩壊し、人類は狂った発明品や怪物に変化した者達に怯えながら、「都市」と呼ばれる崩壊した街で、あるいはその塀の外の、不毛の大地たる砂漠で、日々に絶望して生きている。
今日もまた、不毛の砂漠から食物あるいは技術を求めて一人の青年がやってきた。彼は数少ない仲間から得た話を元に、崩落したように見える事務所に辿り着いた。
だいたい上のような、ポストアポカリプスな感じの台本を書いてみました。初投稿、かつ初めての台本作成ですので、コラボしていただけると幸いです。
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