3分クッキング 「ビスケットを増やすよ🙂」
わたし
3分クッキング 「ビスケットを増やすよ🙂」
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魔法学校の生徒さんになりました🙂
使い魔の、中くらいのもちもちおばけさんについて。
名前;ビスコ
身長158cmの私の、上半身くらいの大きさ。
もっちもちしたかと思えば、ふわふわにもなる、柔軟性の高いおばけ。ドライアイスの煙でも纏ったように輪郭がぼやけていて、真っ白しろすけの体にギョロ目と抜い跡のついた大きなお口がトレードマーク。小さな子供が描いた、クレヨンの絵を彷彿とする。
https://twitter.com/tanuki_yasan/status/1258830878047756288?s=21
ビスケットが大好物の、クッキーモンスターならぬビスケットモンスター。おうむ返しをしながらおしゃべりを覚えていて、そこそこ日常会話はできるようになってきた。喜怒哀楽が大変はっきりしていて、意思疎通には困らないフレンドリーなやつ。呑気で能天気。基本的にお人好しさんだけど、しれっと自己主張はするタイプ。
元気をお裾分けしてくれる不思議なおまじないが得意で、ビスコがおまじないをかけると家庭菜園の植物がちょっとしゃっきりするし、ご飯が少しだけおいしくなったり、魔法使いなら力がほんの少し強くなったりする。なので、通称、喋る予備電源。
なお、お口チャック!というと、縫い跡をキュッと引き締めて全力で黙る一発芸を取得済み。人見知りしない子なので、どうぞ仲良くしてあげてくださいね。
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私は持ち前の不運を遺憾なく発揮した結果、引越しに手間取って、人より遅く寮に入った。大体、家のどこかの扉からランダムに招き入れる制度を始めた奴が悪い。なんだって、うちの食器棚を通路に指定してくれたのだろう。扉は扉でも、もう少し定義をしっかりさせてから魔法を使えよと、ぶちぶち文句を垂れていたら、持ち込んだ覚えのない段ボール箱が紛れこんでいる事に気がついた。
はて、中途半端な重さで、振ってみたらボリュームのあるセーターでも詰まっているような感触だ。冬物なんか入れたっけ、そうつぶやいてガムテープを剥がしたら、ちょうど箱と同じサイズの紙が一枚あって、それにはこう書いてあった。
“猿派閥 ゆきさん、ご入学おめでとうございます。入寮時に使い魔をお配りしたので、お部屋に運んでおきます。ご確認後、名前や容姿を与え、契約をお済ましになられてから連れ歩いてください。 教務”
「使い魔って...もうちょっと梱包の仕方ってもんが...」
私は、今日一番の恐れとトキメキを胸に、紙をはがして、下に眠るそいつを覗き込んだ。箱の形にぴったり、みっちりと収納されている、不思議な白い塊が居る。両手で引きずり出してシワを伸ばしたら、ふっくらもっちりとした餅のようなそれから、白いモヤが埃のように辺りに舞う。なるほど、顔がない。教務は容姿を与えろと言っていた。ということは、部屋の旧持ち主が置き去りにした、分厚い参考書は決して邪魔者ではなく、私は色彩の魔法の項を開き、これからしばらく格闘することになりそうだ。案ずるよりやってみろという事ならば、この学校の教育方針は嫌いじゃない。
白い塊は、犬が尻尾を振るみたいにして、垂れて先細った部分を揺らしている。私は、手元のバッグから覗く、ビスケットのパッケージを見てから、腕まくりをした。
「おっきな口描いてやろうね、完成したらこれで一緒にお祝いだ」
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もちもちおばけのビスコと私
コメント
4件
- 憂沢時雨
- 狸屋おそのʕ•ᴥ•ʔ
- 憂沢時雨ひっそりお化けさんになりました(訳:コラボ失礼しましたー!)
- 粟島ちよここなごな?のあたりのやりとりが可愛すぎます😭💕 すみません…!あまりにかわいくて勝手ながらこっそりうちのおばけさんも混ぜていただきました…! https://nana-music.com/sounds/056ee09d