「入学のお祝いに、あなたには“小さな白紙ふくろうさん”を使い魔として贈りますね。」
そう言って手渡されたのは小さな白い紙。なるほど確かに白い紙だけれど、これが使い魔とは一体。
そっと手に乗せて眺めてみると不思議と次にすべき事が分かった。口元を紙に寄せ、
ふっ、と息を吹きかける。するとただの白い紙は大きく膨らみ形を変えた。両手の平に収まるそれは言葉通り小さな紙で出来たふくろうへと変わっていた。
最後の仕上げにと私はそれに一言「リベル。」と呼びかける。
すると突然命を吹き込まれた様にわさわさと身震いすると白紙に色を付け、翼を羽ばたかせた。
これが魔法!初めての魔法を目の当たりにして大きな感動を覚えた私は使い魔を撫でようとする。
しかし、意に関せず動き出したふくろうは大きく飛び上がり私の頭に止まると安定する場所を探して直ぐに寝始めた。
…なんだこいつ。出会いの感動とかはないの?
そういえば何となく頭に浮かんだ「リベル」と言う名前。良く考えれば自由を意味するのではなかったか。名は体を表すというし…。
そこまで考え、どうやら自由人と言われ続けた私に似せてしまった様だと気付く。
なんだかんだこいつとは上手くやっていけそうだと、頭の上のリベルをそっと撫でてみた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
小さな白紙ふくろうさん
名前:リベル(♂)
見た目:小さなミミズク。両手のひらにすっぽり入る程の大きさ。目は琥珀色。
性格:傍若無人、ふてぶてしい
主人と良く喧嘩する。頭の上が定位置。たまに肩。よく寝る。小さいのでスピードがあり、たまに弾丸と化する
コメント
まだコメントがありません