100万回生きた猫6
佐野洋子作
100万回生きた猫6
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ある日、ねこは、白ネコの前で、くるくると3回宙返りをしていいました。「おれ、サーカスのねこだったこともあるんだぜ。」
白いねこは、「そう」と言ったきりでした。
「おれは百万回も……。」といいかけてねこは
「そばにいてもいいかい。」と、白いねこにたずねました。白いねこは、「ええ。」と言いました。!ねこは、白いねこのそばに、いっまでもいました。
白いねこは、かわいいこねこをたくさんうみました。
ねこは、もう、「100万回も……。」とは、決して言いませんでした。ねこは、白いねこととたくさんの子猫を、自分よりも好きなくらいでした。
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