【声劇台本】父、かえる

娘( )、父( )

星に願いを の演奏をお借りしました。 ハーモニカの音色って ノスタルジックで良いですよねえ。 －－－－－－－－－－－－－－－－ わたしのお父さんはカエルだ。 いつからそうなったのかは知らないけど。 娘:ねえ、お父さん。 元に戻りたい？ 父:んー？ カエルは嫌いか？ 娘:嫌いとかじゃないけど。 学校でさ、みんな面白半分に観に来るのが嫌なの。 似てないー って、勝手にがっかりされるし。 父:たしかに見た目は似てないなあ。 でも、お父さんによく似てるとこは たくさんあるぞ。 カエルの子はカエルってな。 娘:わたしはカエルじゃないよ。 父:おっと、そうだった。 娘:別にわたしはお父さんを嫌いじゃないし、 傷つけたいわけでもないけど、 ただなんでカエルなのかなあって。 父:そうだなあ。 お父さんにもよくわからんなあ。 でもな。 人と違うことを恥ずかしいと思わなくていいんだよ。 もちろん、酷いことを言う人もいるけど、 わかってくれる人もいる。 そういう人を大切にして欲しいなあ。 娘:うん。 わかった。 変なこと聞いてごめんね。 父:いいよいいよ。 実際お父さんカエルだしなあ。 わたしのお父さんはカエルだ。 カエルのクセに時々お父さんっぽいことを言う。 そんなお父さんが、わたしは嫌いじゃない。