帰蝶、祖国の風を飛ぶ
みきとP
帰蝶、祖国の風を飛ぶ
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「いんやぁーー!懐かしいネ!何が懐かしいって…この街なぁぁぁぁあんも変わってないね!!嬉しいけど、どーなのかなぁそれって」
キリエでは見ない色使いと装飾の服装。蝶の髪飾りが紫の髪色に華を添えている。
「みんなお土産喜んでくれるといいナー」
ニコニコとキリエの門へと進む。肩に担いだ棒の両端には風呂敷がぶら下がっていた。
門をくぐり、慣れた様子で迷いなく出張所へ向かう。彼女を一目見た途端、ニフはガタッと音を立てて椅子から立ち上がった。
「........!め、め、め…メアリさん!!!お帰りなさいませ!旅は終わったので!?」
ニフを驚かせたこの人物、名前はメアリ、人間の女性である。元々はキリエの出身であるのだが、12年前にキリエに訪れた異国の大道芸集団にすっかり魅了され、周囲の反対を押し切って弟子入りを懇願し、そのままこの街を出ていってしまったのだ。
「辛かったヨー!全然師匠の許しが出なくてサ。でももう私1人前よ!!立派な大道芸人!みんな私の技に目が離せなくなるから!」
満面の笑みでニフに答えるメアリ。肩に担いだ荷物を下ろし、風呂敷から桜嵐と呼ばれるメロン大のピンク色のフルーツを取り出すと、片手でほいっと投げた。皿を片手に剣を構えると、目にも止まらぬ早さでフルーツを切りつける。ボトボトっと皿に落ちる頃には食べやすいさく型に綺麗に切られていた。驚きでニフは声も出ず、目を丸くしながら手を叩いた。
「お茶っ葉もお土産でもってきたよん。一緒に食べよ!」
異国情緒たっぷりのお茶会が始まった。お土産もさることながら、土産話が楽しすぎて時間を忘れてしまうほどだった。メアリがいけない!と席を立とうとした時、ニフははたと気づき、住民帳の更新をお願いした。メアリはサラサラと書き出す。
「帰り際にすいません!助かります。…メアリさん、人間…はい…んー…うん、ありがとうございます!更新終了です。憑神は斉天大聖。光と風の魔法が使えますね!」
「空が飛べるから師匠に弟子入り出来たけど…異国の習得者は私だけなんだヨ!えっへん!これからしばらく、キリエでショーをしていくから楽しみにしててネ」
これから街が楽しくなるぞ!とワクワクしながらニフはメアリを見送った。
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メアリ 人間 女性
斉天大聖のカミツキ
データを保管致しました。ようこそ!キリエの商店街へ…
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