【朗読】ある朝の話

読み手様… 音楽…haruki様　台本…糸巻

こんばんは 糸巻です。 続けて朗読をぽーん。 閉ざしていた窓を開ける誰かのお話。 🌟ご使用の際は🌟 音楽のハルキさまに拍手とコメントを。 温かなピアノの音、涙が出ました。 こちらの台本には任意で結構ですが、 あるとわたしが喜びます。 セリフの改変、性別はご自由にどうぞ。 転載のみおやめください 以下台本です--------------------------------- 重たいカーテンを開けた。 久々に見る日光が体を貫く。 痛い。いたい。いたい。と 泣き続けた日々が いつしか四肢の錆となり、 体は重たく、鈍く変わっていった。 還りたい。 指先からほどけて 頭のてっぺんまで わたしという存在を 世界に溶かしてしまいたい。 かけら１つ残さず、 ただ在るものになれたなら。 吸って吐いた息とともに、 透明になってしまえたら。 還りたい。 それでも 肺は新しい空気を求め、 血液は流れることをやめない。 軋む両手で窓を開ける。 春の風が黒い錆を吹き飛ばし そっと背に触れた誰かの声が 弱っていた鼓動を呼び起こした。 手のひらに残ったのはいつかの小さな花。 愛おしいそれに わたしはそっと息を吹きかけた。 ----------------------------------- いま、ふたたびの　生を #ボビン絵本