【二人声劇】火蛾と春を売る蝶【台本】

男性「コラボ様」×女郎『朧月姫』

「あい、どなたでありんすか？」 『へぇ！すいやせん！ どうかしばらくここにかくまっていただけやせんか！ おねげえします！！』 「さっき番頭が、鼠が入り込んだと申していんした 貴方様でありんすか？」 『…俺ァ、その あんた様にただお会いしたかった… でも、そんな銭もねえ… だから、忍び込んだところを、見つかっちまいました…』 「くすくす！変なお人！ 面白い、わっちの話し相手としてなら、少しの間だけ… 貴方様は何故ここに？」 『…俺ァ、田舎から出てきてすぐあんた様を拝みやした それはもう美しくて 世の中にはこんなに綺麗なもんがあるのかと驚きやした』 「くすくす…だけれども、 見た目は綺麗な蝶でも、わっちは所詮は女郎 中身はまるで小汚い蛾でありんす」 『そんなこたない！ 今も、捕まれば死刑になりかねない俺をこうしてかくまってくれてる、 あんた様は本当に心の綺麗な人だ！』 「…ますますおかしなお人…」 『俺ァ別に、あんた様を抱きにきたんじゃないんです あんた様を一目見たい… それこそ、火に飛びいる蛾みたいなもんで』 「異国では蝶も蛾も 同じ名で呼ぶとお客に聞いたことがありんす ああ… 今は、ほかのお客のことなど無粋でありんすね」 『今宵は、あんた様を目に焼き付けたい…』 「わっちのように春を売る蝶でいいなら、いくらでも」 ---------------------------------------------------------------- コラボありがとうございます(*･ω･)*_ _)ﾍﾟｺﾘ 祭さん https://nana-music.com/sounds/052b65a0 ハーロックさん https://nana-music.com/sounds/0541fd79