愚者の独白
読み手: 奏者:レーニャ様
愚者の独白
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あの子を置いて行った私には
彼女達を罵倒する資格など無いと
最初から知っていたのに
それなのにあの子を罵倒する現場を見て
ふざけるなと怒鳴り声を上げて
庇うことなんか私には出来ない
そうでしょう、あの子達から守れない私
あなたの姉を名乗れなんかしない
全てを投げ捨てて楽になった私と
私の重荷を背負う羽目になった貴方
あんな牢獄みたいなくだらない場所
貴方と私の2人過ごした場所
重くて暗くて悲しい苦痛の場所
私の考えとあの場所の考えは
全く合わなかったんだ
それがいやで何もかもを投げ捨てた
無責任と罵られても胸を張って
あの場所を捨てて行ったのだ
貴方にとってのあの場所は唯一だった
そんなことを幼い私は理解しなかった
私の身勝手な行動で貴方の世界は壊れた
貴方が心から笑ったのはいつだっけ
貴方が悲しそうに笑うようになったのは
いつからのことだろうか
そんなことも分からず
長い月日が経っていた
あの頃のあの場所は
今も変わらずにあるだろうか
あの頃の考えは今も残っているだろうか
大きくなってから見えてきた
たくさんの物ごと
幼い私には見えなかった
苦悩、欲望、羨望、嫉妬
そんな喧騒の中で今もまだ
待っていてくれてるだろうか
貴方に会って言いたいの
「ごめんなさい」
この言葉はもう、届かない言葉なのに
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親を捨てたかった少女の話
親の考えが嫌い
それに従う愚かな妹
それでも可愛い私の妹
#1人声劇
#1人台本
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