【二人声劇】君は白に愛された。

病人の少年(まいちろ)×見舞う少女

◎病人の少年 △見舞う少女 ＿＿＿＿＿＿＿ △ 君はいつの日か、白が好きだと言っていた。 だからこそ神様は、雪降る今日を 君の命日にするのだろう。 ◎「ずっと外に出たかったんだ。友達と遊んで、美味しいものも食べたりして。」 △ 最後の日、君は私に色んな夢を語った。 ◎「大好きな君と、幸せな家庭を作ってさ。」 △ 叶えられない未来への。たくさんの希望を。 ◎「僕はね、生まれ変わったら雪になるよ。冬は積もって君を眺めて。春になったら水になって。夏になったら空を飛んで、秋になったら冬を待つ。そしたらほら。また君に会える」 △ 君は私を優しく抱きしめて、最後の夢を語って。 ◎「だから、大丈夫。君は安心して笑っててよ。」 △ そして、眠るように亡くなった。 私は少しだけ笑って、たくさん泣いた。 色のない真っ白な病室で。 かじかんだ私の手だけが、ひどく赤かった。 素敵な台本と素敵な声劇を見つけました！ 最後まで聴いてくださった方ありがとうございました！