【和風声劇】神の社に棲まうもの
妖(よっちー)、少年(よもや)、台本(結衣)
【和風声劇】神の社に棲まうもの
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何度読み返してもワクワクしてしまう素敵な台本、
惹き込まれてやまない妖さんとコラボさせていただきました!
話が進むにつれ二人が近づく様子を表現できればと、初めは少し少年の音量を大きくしております。
皆様の想像していたような少年であれば幸いです。
以下 台本元様本文
和風声劇台本です、どなたでも遠慮なくお使い下さい!
アドリブ、性別変更などなんでも好き勝手やっていただいて構いません!
キャプションは全部読んだ方が面白いかと思います!多分!
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【story】(※ここは台本ではありません)
静かで真っ暗な山の奥深くに、ただ一つだけ佇む小さな神社。
すべてを失くし、人生を諦めた少年は、何も考えず歩き続けた末に、そこに辿り着いた。
あまりに古びた、さもすれば崩れてしまいそうな長い石階段を登り、錆びてくすんだ赤い鳥居をくぐる。
「……人間か?」
凛とした、声。
反射的に、視線を上げた先……本殿と鳥居との僅かなスペースを埋めた、苔むした石畳の中央に。
神社そのものと同じように、美しい妖が一人、佇んでいた────
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【セリフ】
妖「……人間か?」
少年「…さぁ、どうだろうね」
妖「ヒトの匂いがする、お前は人間だ」
少年「分かっているなら、どうして訊いたの」
妖「お前が……ヒトとして生きることを、捨てているように見えたからだ」
少年「……鋭いね、流石妖怪だ。僕にはもう、
生きる理由がない」
妖「ならば、私が殺してやろうか」
少年「いいよ。どうやって殺すの?」
妖「そこの木に磔(はりつけ)にして、末端から切り刻む」
少年「へぇ…僕には丁度いい死に方だ」
妖「……ただの脅しだ。…お前は何故そこまで死にたがる?」
少年「家族と友を、殺したからだよ」
妖「……なるほど確かに、人間一人で背負える業(ごう)ではないな」
少年「うん、だから」
妖「此処に住め」
少年「…え」
妖「雑用を全て任せる。代わりに、私もその業を背負ってやる」
少年「……優しい妖(あやかし)もいたものだね」
妖「はっ、どうだかな……お前が、私に似ているからだ」
少年「へえ……ねぇ、名前は?」
妖「籃(らん)、だ」
少年「僕は柊(ひいらぎ)。……ありがとう、籃」
妖「……ああ。よろしくな、柊」
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【詳細説明】
妖、籃(らん)は、過去に最愛の妹を殺害しており、自責の念から山の奥深くにたった一人で籠っていた。
そして山に棲みついてから、400年以上経ったその日。
少年、柊(ひいらぎ)が、自分と同じ、自責と絶望、諦観に染まりきった表情で、籃の前に現れる。
その姿が、妖である自分とあまりにも似ていたことから、籃は柊が人間であることが一瞬では分からなかった。
その後の対話で、まるで自分を見ているような気さえしてくるほど、柊は自分に似ていることが分かり……柊の犯した罪を聞いた時、籃は、妖としては有り得ない、人間に手を差しのべるという行為に出る。
この行動には、柊と共に暮らすことで、自分の罪を思い出し続けるという贖罪の意味があった。
そのため、柊の優しいという言葉には自嘲気味な笑いを返した。
一方柊は、なんとなくその意味を察した上で共に暮らすことを受け入れたが、実は柊も籃と同じように、自分の罪を忘れないという目的を持ってそれを受け入れている。
同じ目的を持って、互いを贖罪の道具として利用しようと考える二人は……互いの目的には気づいていないのにも関わらず、思考や行動の大半が一致していた。
──────これは、この先に二人に起こる、様々な出来事の、始まりの話。
#和風声劇 #声劇
コメント
2件
- 八ツ葉-やつはコメント失礼します。 私もこの声劇をしたくて聞いていたのですが... 感動し過ぎて言葉もありません。お二人が同じ空間にいる情景が見えてしまいました。なんという世界観でしょう。ありがとうございました。
- よもやありがとうございます! 台本作者様と妖様の織りなす世界観に溶け込み、また、創造できているのであれば、これ以上の幸せはありません…!