• 211
  • 83

エマ

2018/9/23

「どうか忘れないで。たいせつなお友達。」

​────
少女 …性別不問。変える場合は表記の変更推奨。
ピアノ …性別不問。
​────

(ノイズがありますが、少女はノイズと会話するようにセリフを。ピアノは独り言のように。)

(ノイズ)
少女「どうして、お父さん…!」(重ねて)
ピアノ「僕はもう綺麗に歌えない。」(重ねて)

(ノイズ)
少女「やだ、あの子を捨てないで!」(重ねて)
ピアノ「それでも君は大切にしてくれた。」(重ねて)

(ノイズ)
少女「あの子は、」(重ねて)
ピアノ「だからもう、」(重ねて)

(ノイズ)
少女「あの子は……お友達なの…」(重ねて)
ピアノ「もう、十分だから。」(重ねて)

(蒸気の音)

少女「この海には、ピアノが沈んでいる。」

(列車の音、汽笛)
(ピアノ入り)(回想)
ピアノ「ほら、弾いてみて」
少女「どー?」
ピアノ「そう、ド。上手上手」
少女「ねえ、ぴあの」
ピアノ「ん?」

少女「わたし、あなたのことずっと大切にする。きっと、きれいに弾いてあげる」
ピアノ「あはは、楽しみにしてるよ。」
少女「だってぴあのは、わたしの大切なおともだちだから──」

(波の音)
少女「私の言葉は届かなくて、ピアノは連れていかれてしまった。」
ピアノ「汽車に連れられて、僕は海へと沈められた。」

(無音)
少女「約束、守れなかった…」(同時に)
ピアノ「だから、さいごに。」(同時に)

(ピアノ、一音。)
少女「っ、この音、」

(曲入り)
ピアノ「もう、泣かないでよ。」
少女「……ぴあ、の?」
ピアノ「大切にしてくれたこと、ちゃんと知ってるよ。」
少女「……っ、」
ピアノ「ありがとう。君のピアノに生まれて、よかった。」

────────────
*お借りしたBGM
・DOVA-SYNDROME より
「lilac」written by ISAo. 様
「SAD」written by coro 様

編集:エマ

* * *

参考にした物語は、「海に落ちたピアノ」というスウェーデンの童話です。
わたしの台本は結局違った話になりましたが、その童話はとってもきれいなおはなしでした。


綺麗事だとしても。


#声劇 #台本 #声劇台本 #掛け合い #エマの台本

Applauses


  • +195

Comments


Appears in the following playlists