声劇【手を叩く】
朗読 ○○/台本 サンケー
声劇【手を叩く】
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声劇No.58【手を叩く】
台本 サンケー
→いじめられっこだった僕には、一人の友達が居た。彼は、いつも手を叩いて歌を歌う。何を考えてるのか分からなくて、最初は不気味だったけど、どことなく…彼がいると落ち着く。
そんな彼も実はいじめられっこで、ある日を境に二人で悲しい時叩いてたこの音が、僕のだけになった…
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泣き虫な僕は今日も一人涙をこぼす
真新しい傷を抱えて 小さく 小さく
そんな僕の隣に腰掛ける 君
カッコいいヒーローみたいに
いじめる奴を倒してくれる
そんなタイプではなくて…
癒しを持った天使のように
優しい言葉で包み込んでくれるような
そんなタイプでもない…
君は泣いてる僕の隣で手を叩く
パンパン
叩きながら 歌い出す
名も知らない曲 誰の歌だろう?
ただどことなく 楽しげな曲調に
思わず 涙が止まって
歌う君に くぎ付けになる
僕が泣いてると
君はそうやって 手を叩く
不思議だ ただ隣で手を叩いて
歌ってる 変わり者の君に
僕は日に日に心を開いていった
ずっと 後で知ったんだ
君もいじめられていた事
僕は君からたくさんの涙を
拭ってもらったのに
僕は君の心に刻まれた傷にすら
気付かないまま 生きていた
君の傷に気付いていれば…
パンパン…
僕のだけ 手を叩く音が
楽しさを忘れ 悲しげに響く
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