秋桜

さだまさし

　母が自分の幼い頃や学生時代の話をよくするようになり、人は高齢になると、どうしても未来を思い描くより過去の思い出を追うようになるんだなと思うのです。 　そんな母が先日実家に帰ったときに、祖父（母の父）が母の部活帰りに暗くなるので毎日往復8キロの道のりを歩いて迎えに来てくれたという話を涙ながらにして、あー母は父親の愛を70年以上も経った今昨日のことのように感じているんだなと思ったのです。愛って地味で頑なで言葉を越えて何十年も変わらず存在しているものなんだなと思います。 　実家に帰ると毎日ご飯の心配をしてくれて、今でも作ってくれる母。。一週間いたらまた上京すると知ると、母は、「もう行くとねー」と少し寂しげに言いますが、すぐに笑顔で「気をつけて行ってこんね」と送り出してくれます。以前は親子ゲンカばかりしてましたが、今自分が母の地味な愛を受け取ってるんだなと感じているこの秋です。 長文、読んでいただきありがとうございます🤗 2022年秋 お陰様でコラボの数も116。拍手の数とほぼ変わらない数いただいてます。ありがとう 女性キー https://nana-music.com/sounds/02eaa144 ■歌詞■ 淡紅の秋桜が秋の日の 何気ない陽溜りに揺れている 此頃涙脆くなった母が 庭先でひとつ咳をする 縁側でアルバムを開いては 私の幼い日の思い出を 何度も同じ話くりかえす 独言みたいに小さな声で こんな小春日和の穏やかな日は あなたの優しさが浸みて来る 明日嫁ぐ私に苦労はしても 笑い話に時が変えるよ 心配いらないと笑った あれこれと思い出をたどったら いつの日もひとりではなかったと 今更乍ら我儘な私に 唇かんでいます 明日への荷造りに手を借りて しばらくは楽し気にいたけれど 突然涙こぼし元気でと 何度も何度もくりかえす母 ありがとうの言葉をかみしめながら 生きてみます私なりに こんな小春日和の穏やかな日は もう少しあなたの子供で いさせてください #らみらみ