

ユーザーピックアップインタビューvol.32 もるがんさん 〜女性曲を原曲キーで歌うスーパーハイトーンボーカルの生い立ち〜
Aug 13, 2021みなさんこんにちは(^o^)
気になるユーザーさんにインタビューしていくこちらのコーナー。いつもは伴奏者さんや台本師さんなどnanaを支えていただいているユーザーさんが中心ですが、今回は歌い手さんへのインタビューが実現!
ハイトーンが印象的、nanaアワード2020でグランプリを受賞されたもるがんさんへのインタビューです。
もるがんさんはプロフィールも少なめ、twitterリンクも無いので謎多き歌い手さんの一人。インタビューしてみたら大変お話上手な方で、たくさんお話を聞くことができました。
サウンドを見てみると女性の歌やキーが高い曲がズラリ。女性曲を歌いこなすスーパーハイトーンのもるがんさん。サウンドを聞きながらお楽しみください。
目次
- 気持ちよさそうに歌うボーカリストを見て、「歌ってみた」
- nanaを選んだ理由とフォロワーさんが増え始めたきっかけ
- nanaキュレが生んだサウンドの絆と恒例行事
- なんと240分!?大人気、不定期のnanaパーティー
気持ちよさそうに歌うボーカリストを見て、「歌ってみた」
編集長K(以下K):nanaアワードでは受賞おめでとうございました!もるがんさんはnanaではかなり活発に活動されているものの情報が少なく、どんな人なのか気になっている人は多いと思います。今日はよろしくお願い致します!
もるがんさん(以下も):そうなんです、何も公開していなくてnanaの中だけなんです。こちらこそよろしくお願いします!
K:まず音楽の背景をお聞かせください。
歌がとてもお上手ですし、プロフィールにも「制作やプロデュースの仕事」と書かれているので、どんな音楽的背景をお持ちなのかとても気になりました。
も:3歳ころからクラシックピアノをやっていて、小さい頃は練習に通ったり発表会に出たりしていました。大人になってからはアーティストさんのバックで演奏したりしています。ちょっと力を入れすぎた趣味、くらいの感じです。
K:プロのキーボーディスト、ということですか?
も:いえ、クラシックのピアノを専門でやってきました。ピアノ以外という意味では、ピアノをやってきた中で色々な演奏家の方に刺激を受けて作曲や編曲にも挑戦してきました。
K:ピアノを習って、その流れで興味のある分野に挑戦したり、バックで演奏したりと、すごく正統派な感じなんですね。
音大に行っていた、とかではないのでしょうか。海外の匂いを感じるので音大卒で海外のコンクールに出ているような人なのかと勝手に思っているのですが、いかがでしょう。
も:音大卒ではないです。今はピアノのプロということではなくて、全く別の仕事をしています。海外は縁があって、海外にいた時間の方が長いくらいです。ブロードウェイでミュージカルを見たり、本場のゴスペルに触れたり、クラシックの本場で演奏を聴くことがあったり、海外で色々な経験をしました。

K:本場での経験は貴重ですよね。ここまでで歌の話は、、、出てこなかったですよね?もるがんさんの投稿は歌しか見当たらないので、歌の背景が気になります。
も:そうなんです、nanaではピアノの演奏をしていなくて、ボーカルだけなんですよ。
昔からボーカルの方のバックでピアノ演奏をしていると、気持ちよく歌っているのがとても気になっていたんです。それで演奏が終わって誰もいなくなった会場で一人で歌ったりしていたんです。
K:すごいですねそれ。気持ちよさそう!
も:自分の声も好きではないですし、自分で歌がうまいとは思っていないんですけど、歌ってみたいと思う曲がたくさん出てきて、数年前に歌い始めました。
そんなことをしていたらカラオケのガイドボーカルの仕事を頂いて、その時にピッチやリズム、歌の練習をしました。
K:歌ってみたかったから歌っていたら仕事も来たという。
も:そうですね。でも歌で音源をリリースしたり、ボーカリストとして活動したり、ということはしていません。自分の歌をオンラインで公開するのには抵抗がありましたね。
nanaを選んだ理由とフォロワーさんが増え始めたきっかけ
K:nanaに投稿し始めたきっかけはあるのでしょうか。誰かに教えてもらったとか?
も:結論から言うと自分でnanaを見つけたんです。
nanaの初投稿はたしか2018年の10月4日なんですが、当時アマチュア同士で歌を歌ったりコラボしたりできる楽しい場所がないかなって探していたんです。で、片っ端から歌系のアプリをインストールしてみて、nanaもその流れでインストールしたんです。そうしたらすごい数の伴奏があって。
K:そうですね、2018年だとすでにかなりのユーザーさんがいますね。
も:nanaの伴奏ってみなさんが演奏したり作ったりしていて、既成の音源に重ねるというのとは違った面白さを感じたんです。POPSだけじゃなくて僕が好きなクラシックとかも投稿されていて。それを聞いてやってみようと思って投稿したのが最初のトゥーランドットです。
K:初投稿がトゥーランドットでいけるというのもnanaならではですよね(苦笑)。
も:二日後に開いてみて「再生回数が3回になってる!」みたいな感じでした。どこまで続くかなとか、そもそも自分の歌をインターネットに投稿して大丈夫かな、とか。ドキドキしながら投稿していました。
K:こんなに歌がお上手でもドキドキするんですね!そこから次第にお友達が増えていったんでしょうか。
も:日本の音楽に詳しくなかったので、最近の曲を聞きたいという流れで色々な人の投稿を聞いてコメントしていたんです。そうしたら皆さん聞きに来てくれて、少しずつ仲の良い人が増えました。お勧めの曲を教えてもらったり、歌のアドバイスをもらったり、すごく楽しかったのを覚えています。
K:nanaにハマったきっかけは、やはりコミュニケーションの楽しさだったんですね。
も:リアルでも友人は多いんですけど、音楽の趣味が合う人と友達になるのはnanaの方が早いと感じました。nanaは純粋に音だけでつながっていけるのが楽しかったです。「声が好きです」とか言ってもらえた時も変な感情を感じることなく素直に受け止められるのがnanaの良さですよね。
K:nanaは音以外何もわからないですからね(苦笑)。
も:音楽を純粋に楽しむにはすごくいいプラットフォームだなと感じていました。
K:今でこそかなりのフォロワーさんがいらっしゃいますが、フォロワーさんが増えたきっかけというのはあったのでしょうか。
も:いつもピアノで曲を覚える時って譜面に色々書き込んで覚えていくんですが、それに近いことをキャプションでやったことがあるんです。いつもは消して投稿するんですけど、ある時消し忘れてそのまま投稿しちゃったんですよ。
K:あらまぁ(笑)。
も:あいみょんの「君はロックを聞かない」という歌なんですけど、ブレスの置き方も歌い方も特徴的で、覚えるためだけに書いたテキストなんです。で、そのまま公開しちゃったらすごくたくさんコメントが来て、再生回数も全然違ったんです。
K:ですよね、この曲の再生回数すごいですよね。もるがんさんの投稿でダントツの再生回数です。
【個人的な歌い方メモ】
キャプションより
A=アクセント(強調) B=ブレス(息継ぎ) 〜=ビブラート F=フェイク(節回し)
S=スタッカート(弾むように(小さいっを入れるように)
※↑記号は専門用語と違う表記です
少し寂しそうな 君に こんな歌を聴か(っ)せよう
↑B ↑B ↑A ↑S ↑〜B
手を叩く合図 雑なサプライズ 僕なりの精一杯
↑B ↑F ↑B ↑〜B
埃まみれドーナツ盤には あ(っ)の日のゆ(っ)めが踊る
↑A〜 ↑B↑A↑S ↑S ↑〜B
真面目に針を落とす 息を止めすぎたぜ
↑B ↑ノーブレス
さあ腰を下ろしてよ
↑F ↑〜B
フツフツと鳴り出す青春の音
↑A〜 ↑〜 ↑〜B
乾いたメロディで 踊ろうよ
↑B ↑〜B
君はロックなんか聴かないと思いながら
↑A ↑〜B
少しでも僕に 近づいてほしくて
↑B ↑ノーブレス
ロックなんか聴かないと思うけれ(っ)ども
↑A ↑A↑S ↑〜B
僕は こんな歌で あんな歌で
↑B ↑B ↑(うっつぁーで とjazzyに)B
恋を乗り越えてきた
↑A ↑〜
も:あ、でも再生回数が伸びた最大の要因はその後nanaキュレーションに選んでもらったことです。この投稿が注目されて、nanaキュレーションにお勧めしてもらえて、さらに再生回数が増えたという流れでした。このサウンドで知り合った人たちとは今でもよくコラボしています。
K:nanaキュレーションを立ち上げた人間としては嬉しい限りです。
も:他の要因としては、女性ボーカル曲を原曲キーで歌うというのもあると思います。
僕、声が高いのでうまいかどうかは別として音が届くんですよ。その意外性みたいのが良かったみたいで、女性ボーカル曲を原曲キーで歌った投稿はたくさん聞いてもらうことができました。
K:高いですよねもるがんさん。僕も見た目より高いんですけど、もう一回りキーが高いですからね。全然届きません(笑)。
も:おかげでフォロワーさんが増えて、フォローしてもらうと声もかけやすくなるのでたくさんコメントで交流できて。nanaがどんどん楽しくなってきた頃でした。
K:ちなみに再生回数でランキングを作ると上位にはキーが高い歌が多いです。ONE OK ROCK、Alexandros、King Gnu。全部出ません。ワタリドリは私3回ほど撃沈してシクレで寝てます(笑)。
も:うまいかどうかというより、このまま行ってサビが出るのか?というドキドキ感じゃないかと思います(笑)。
K:もるがんさんはnanaで楽しんで歌ってらっしゃるんですね。
も:ガイドボーカルの仕事をしていた時はカラオケの採点で何回連続で高得点を出せるかみたいな練習をしていたんですけど、もっと楽しく歌いたいなと思っていました。今は自分の好きな伴奏で音楽が好きな人同士で楽しく歌えてとても楽しいです。
K:うにー社長が喜ぶと思います(笑)。
nanaキュレが生んだサウンドの絆と恒例行事
K:今までで一番印象に残っている投稿、思い出を教えて下さい。
も:「君はロックを聞かない」がnanaキュレーションに選ばれたんですけど、前からnanaキュレーションはいつもチェックしていたんです。
で、僕の1回前のnanaキュレーションで選ばれた方がいるんです。音ひめかさんの「クリスマスソング/back number」で、多重録音がすごく綺麗なサウンドだったんですけど。
で、僕が選ばれた時に音ひめかさんがコメントをくれたんです。コメントをもらって「これは話しかけても大丈夫だ!」と思って(笑)、音ひめかさんのサウンドにコメントを書いたんです。
そしたら「今度一緒にコラボしませんか?」って流れになったんです。
K:おおお!繋がりますね!
も:そこから始まってかれこれ10回以上コラボしているんです。未だにnana以外の連絡先とかは知らないので、コメントとかだけでやり取りをしています。nanaだけで音楽を作っていく感じがとても楽しいです。
K:nana楽しんでますね。
も:まだ続きがあるんですよ(笑)。
K:どうぞ(笑)。
も:僕のさらに1週間後に選ばれたyackyさんっていう方がいるんです。その時に僕と音ひめかさんでyackyさんのところにコメントを書きに行ったんです。
そしたら3人でコラボしましょうという流れになって。
K:繋がりますね〜!nanaキュレ仲間みたいな感じですね。
も:つながった人達とみんなでコラボするのが恒例行事になっています。
K:いや〜いいですね、このサウンド。なんだろう、歌がいいというのもありますけど、nanaですね。nana。
も:こういうのがすごく楽しいです。いい思い出になっています。
K:録音って、残るのがいいんですよね。録音って作品としての側面と記録としての側面があると思っていて、まさに記録ですよね。この音に色々な背景や想いが詰まっているのが聞くだけでよくわかります。
なんと240分!?大人気、不定期のnanaパーティー
K:なんだかんだでもう1時間以上話してますね(笑)。色々謎が解けてきました。
も:もう一つ話したいことがあるんですよ。
K:どうぞ!(笑)
も:nanaパーティー、楽しいです。2ヶ月に1回くらいやっているんですけど、毎回240分完走しているんです。
K:え!?すごくないですか?
240分って4時間ですよ?(笑)
も:フォロワーさんが遊びに来てくれるんです。始まってすぐに歌玉が240分いけるだけ積み上げられて(笑)。
サウンドとコメントっていうやり取りも楽しんですけど、リアルタイムのやり取りっていうのもすごく楽しいなって。僕の場合twitterとか紐付けていないので、フォロワーさんとのやり取りがコメントだけって限界があるんですよ。なので、nanaパーティーでコミュニケーションを取れるっていうのがすごく助かるんです。
K:リアルタイムならではのやり取りというのも生まれますよね。
も:普段そういうことはしないんですけどnanaパーティーでものまねをやってと頼まれて、後日ものまねをやったことがあります(苦笑)。
K:なんですかこれ大爆笑ですねww
nanaパーティーのスタイル的にはどういう内容なのでしょうか?一人でずっとしゃべる番組的なスタイルからみんなで歌うスタイルまで色々あると思うのですが。
も:ラジオ番組的な内容です。
自分のサウンドや気に入ったサウンドをご本人の許可をとってパーティーで紹介していくスタイルですが、もちろんコメントにあわせた内容で進めていきます。ゲストの方を入れて共同配信みたいなスタイルでやることもあります。リクエストも受け付けていて、即興でリクエストに応えるというのもやっていますよ。
K:大変面白そうなんですが、このnanaパーティーが開催される日時はどこで情報を入手したら良いでしょうか。時期は決まっているんですか?
も:完全に不定期なんです(笑)。決まっている時は前日にリポストで告知をするようにしています。
K:フレンドフィードに注目しておくしかないですね!

海外のお友達をnanaに、そしてnanaユーザーさんとリアルセッションをしてみたい
K:最後に今後やってみたいことがあれば教えて下さい。
も:仕事の関係で海外の音楽友達が多いので、nanaに呼び込んで国籍を越えたコラボとかやってみたいと思っています。
K:それはすごい!nanaはワールドワイド展開なんですが、海外の方は使い方が少し異なっているので日本のユーザーさんがnanaの良さを説いてくれるとユーザーさんが増えるかもしれません。
も:あとはオンラインコンサートをやってみたいなと思っているんですよ。
K:SYNCROOMを使っているnanaユーザーさん、多いですよ。使ってみてはいかがでしょう。
※SYNCROOM:ヤマハさんが展開するオンラインセッションサービス。
も:やってます!
K:さすがです(笑)。
も:あとはオンラインも、なんですけど、コロナが明けたらリアルなセッションもやってみたいなと思っています。nanaのユーザーさんと一緒に。
K:前にnanaるdayというイベントもあったんですよ。また開催することがあればぜひご参加ください!お会いできることを楽しみにしています。
も:ぜひ!参加してみたかったんですよ。楽しみです。雑用もやりますよ(笑)。
K:お手伝い立候補ありがとうございます!今日はありがとうございました。
も:はい、ありがとうございました。
スーパーハイトーンでおなじみのもるがんさんはなんとピアニスト。しかしnanaにはピアノを投稿せず、歌うのが好きだから歌っているというスタイル。本当にnanaを楽しんでいらっしゃるのがとてもよく伝わってきました。
インタビューは大変盛り上がりまして、実際の会話の半分くらいになっております。本当に盛り上がってしまって、それこそ240分のnanaパーティーでやればよかったと後悔しました。
nanaキュレで出会ってコラボしてパーティーでコミュニケーション。nanaを隅から隅まで楽しんでいるもるがんさん。サウンドを聞いてぜひコメントしてみてくださいね!
次はどんな歌を歌ってくれるのでしょうか。これからの投稿にも注目です(^^)
取材・執筆・編集:編集長K