ユーザーピックアップインタビューvol.30 蛍さん 〜伴奏を演奏する「機械」の正体〜

May 07, 2021

昼は暑く、夜は涼しく。春を感じる気候ですが、いかがお過ごしでしょうか。こんにちは!

本日のnanaマガはユーザーピックアップインタビュー。nanaアワードで3位となった蛍さんへのインタビューです。

蛍さんのタイムライン、伴奏投稿はもちろん歌、声劇、など様々な投稿が並びます。nanaを楽しんでいる様子が伝わってくるのですが、気になるのは伴奏投稿のキャプションに書かれたこちらのテキスト。

「この伴奏は機械による自動演奏で作られています ありがとう、機械」

機械!?

そんな機械があるならワタクシが使いたい、、、(笑)。この機械の謎を解き明かすべく、多岐に活動される蛍さんにインタビューをさせていただきました。

謎は解けるのか?ぜひご覧ください\(^o^)/

目次

編集長K(以下K):どうもこんにちは、はじめまして。nanaアワード受賞おめでとうございます!今日はよろしくおねがいします。

蛍さん(以下蛍):こちらこそ!蛍と申します、よろしくおねがいします。アワードは自分がいちばんびっくりしました(笑)。たくさんコラボしてもらえてるなとは思っていたんですけど、ランキングに載るほどだとは思っていなくて。

K:去年「夜に駆ける」が大人気だったという背景はありますが、伴奏のクオリティが高かったということはもちろん関係していると思います。ただ、気になっていることがひとつありまして、「機械」というのが何なのかと、、、。今日は機械の謎を解き明かせればと思っています(笑)。

蛍:ですよね(笑)。

伴奏を演奏してくれる機械の正体

K:では早速なんですが、「夜に駆ける」に限らず伴奏のキャプションに「機械です」と書いてあって、これはどういうことなんですか?機械の正体を教えて下さい(笑)。

蛍:まず機械ってういうのは、打ち込みではないんです。私の音楽経験に関わるんですけど、あれは、「機械」なんです。

K:その機械が知りたいです(笑)。音楽経験が関わっているということなので、まずはそこから教えて下さい。

蛍:音楽はnanaを始める2年前くらい、大学生の時から始めたんですけど、その頃は楽譜もほとんど読めなくて。大学以前は音楽経験、まったくなかったんです。五線譜って真ん中がシだから、その上がド、みたいな。

K:意外です。幼少の頃にピアノやっていたとかではないんですね。

蛍:違うんです。で、楽譜が読めなくてもそのまま楽譜どおりに入力すると演奏してくれるアプリがあって。iPadの有料アプリなんですけど。それが「機械」と呼んでいるものです。

K:それに入力して演奏してもらっていた、と。

蛍:機械に演奏してもらわないと曲がわからないくらい初心者だったんですよ。で、nanaを始めた後に「これ伴奏作るのにも使えるんじゃないかな?」って。

K:蛍さん、世界はそれを「打ち込み」と呼んでいます(笑)。機械って言っても、入力するには楽譜のオタマジャクシを見ながらひとつずつ入力するんですよね?写真を撮ったらデータになる、とかではなくて。

蛍:はい、ひとつずつ。楽譜がシだからこっちもシ、みたいな。変えたいところがあったら音を変えて。コードがこうなってるからこうしようとか、リズムがこうだから変えようとか。ほぼ勘でやってます。

K:普通の打ち込み用アプリも使えるんじゃないですか?

蛍:伴奏を投稿しはじめて最初の頃はGarageBand(ガレージバンド)を使ってました。「ヤダ、無理〜!わかんなーい!」って言いながら(笑)。

※GarageBand:無料の音楽制作ソフト・アプリ。mac版とiOS版があります。

K:1曲作るのに、、、どのくらいかかりますか?

蛍:早く終わっても、まぁ、2、3日かかってると思います。長いと1週間とか1ヶ月とか。音どうしようとか、なんかうまくハマらないと思うと時間かかっちゃいます。同時進行で何曲も作っておいて、貯めておくことが多いです。

K:いや〜これ、聞いてよかったと思います。僕もそうですけど、みなさん「えい!」ってスイッチ押したら「はい!」って出てくる機械で伴奏作ってると思ってますよ、たぶん。ドラえもんに出てきそうな機械で(笑)。

蛍:そんなんじゃないんです〜大変なんです〜!(笑)

ピアノ演奏ができるのに機械が演奏?

K:機械の正体は打ち込みということがわかりました(笑)。ただ、事前に伴奏を聞かせていただいて、仮に全部自動の機械があったとしても音楽センスゼロだったらこの伴奏は作れないなと思っていたんです。

ディズニーのGrim Grinning Ghosts(ホーンテッドマンションの曲)を投稿されていますけど、リバーブ(響き)の感じがコンセプトに沿っていて驚いたんです。少しアレンジも入っているようですし。蛍さん相当勉強されてますよね?

蛍:ディズニー大好きなんです!そうですね、すっごい勉強しますね。これは何短調の曲でどういうコードで、とか。情報を分析して作ることしかできないので。

K:この曲聞いて「短調」って言ってる時点で詳しいと思うんですよ。どこで勉強したんですか?

蛍:大学の授業でやりました。学校の授業を思い出しながら作ってます。

K:それを授業でやるということは、、、音大?でも音大は入るのが大変なはず?

蛍:音大じゃないです、保育の短期大学に行ってたんです。

K:そうか!なるほど、幼稚園の先生!
そうなると、そこそこ弾けないと卒業できない、、、ですよね?

蛍:そうです。大学入って始めたので、なかなか厳しかったです。まぁ大変でした。弾けるようにならないと夏休みも補習です。しんど〜、って感じでした(笑)。

K:保育士さんになるっていうのは昔からの夢だったんですか?

蛍:はい、中学生くらいから夢で。

K:夢叶えたんですね。すごい!

蛍:でも短大でて仕事をしているうちに音楽が嫌いになった時期もあるんです。明らかに周りの先生のレベルについていけてなくて。音楽指導しないといけないのにどうしようって思って。その頃にnanaを始めたんです。

K:nanaはどこで知ったのでょうか。

蛍:高校生の頃に人から教えてもらって2曲くらい歌ったことがあったんです。でもその頃は投稿して人に聞かせるっていうのは合わないなと思ってやめちゃったんです。

で、社会人になって音楽が嫌になった頃に「歌いたい!」って思って、思い出しました。たしかnのマークのアプリだったな〜って探して。

K:昔のアカウントはまだあるんですか?

蛍:全然覚えてないです、どんな名前でやっていたかもわからないです(笑)。社会人になってからやってみたら面白くなって今に至る感じで。学生の頃よりお金もあるのでマイク買ったり機材買ったりして楽しくやってます。

K:蛍さんはとりあえずなんでもやってみる派なんですね。いきなりマイク導入しているあたりがなかなかチャレンジャーだなと(笑)。

蛍:そうですね、やってみる派です!でもマイク導入したのは始めて1年目くらいしてからで、「いい音で録りたいな」って思って、自分の誕生日になんか買おう〜っていうノリでマイクを買いました。SENNHEISER(ゼンハイザー)のダイナミックマイクです。最近は配信もやるのでコンデンサーマイク欲しいなと思ってるんですけど、余計な音も入っちゃうからどうしようかなって。

K:蛍さんは勉強家なんですね。コメントが玄人ですよ(笑)。nanaでは歌がメインのようですが、伴奏投稿にチャレンジするきっかけはあったんでしょうか?

蛍:もっちーさんっていう方とつながっているんですけど、もっちーさんが背中を押してくれたんです。私がピアノ弾けるっていうのを知ってたので、「伴奏投稿すればいいじゃん」っていうのを半年くらいずっと言われていて。ずっと(笑)。

前のスマホは容量が一杯でGarageBandが入らなかったんですけど、iPad買ったら容量に余裕ができて。マイクもあるしiPadもあるし。じゃあそろそろやってみるか、って。

K:最初の伴奏は打ち込みだったんですね。

蛍:打ち込みでした。伴奏はほとんど打ち込みです。

K:ピアノが弾けるのに打ち込みというのが不思議だなと思ったんですが、何か理由があるのでしょうか?

蛍:なんでだろう、もっちーさんが打ち込みの人だったからかな(笑)。最初にやろうと思った曲が音が多い曲で、再現するには打ち込みのほうがいいなと思ったのが理由かもしれません。

K:今後、自分の演奏を投稿する計画はありますか?

蛍:いや〜全然考えてないです(笑)。

K:幼児曲とか需要あると思いますよ。弾いてみてください。

蛍:幼児曲、だんご3兄弟は投稿しました。演奏は機械ですけど(笑)。

nanaの楽しい遊び方〜ほろ酔いFIRST TAKE〜

K:蛍さんはtwitterやYouTubeにも歌ってみた動画を投稿されていますが、この3つのプラットフォームの使い分けの基準などがあれば教えて下さい。

https://twitter.com/hotaruki21/status/1302087135667736578?s=20

蛍:最近始めてみたんですけど、再生回数とかを見ながら今後の使い分けを考えようと思っているところです。

K:ニコ動には投稿しないんですか?

蛍:まったくニコ動には触れていないんですよ。ニコ動が流行っていた時って小学生くらいでスマホを持っていなかったんで、全く見ていなかったんです。周りでもニコ動よりもYouTube見ている人の方が多いなと思いますし。

K:そうか、最初からYouTube世代なんですね。ジェネレーションギャップを感じました(笑)。歌ってみた動画でフォロワーさんをたくさんつけて、歌い手でプロになろう!とか?

蛍:そういう感じではないんですよ。別の配信アプリをやっていてたくさんの人にフォローしてもらった時期があったんですけど、毎日配信やらなきゃみたいのが結構大変で。nanaを最初に始めた時の、楽しみたい形で、楽しみたい時間に、楽しみたいようにやろうっていうのを大事にしています。

K:試行錯誤した末にnanaが残っている、と。

蛍:nanaは気軽にできるんです。

K:気軽と言えば、酔っ払って投稿していること、多いですよね?

蛍:あ、ほろ酔いですか?(笑)ほろ酔いFIRST TAKE。私、酔うと人にかまって欲しくなるんです。でも電話とかするのはおこがましいかなって思っていて。酔っていて誰かに聞いて欲しいから、歌うか!みたいな。

K:配慮の結果、ほろ酔いFIRST TAKEができたんですね。最近はシリーズ化されていますが好評なんでしょうか?

蛍:酔った声は気が抜けてて好きって言ってくれる方もいるんです。お酒好きなのでお酒のデータとかも書きながら楽しくやってます。歌が下手でもお酒入ってるから許してくださいって言えるし。おすすめの遊び方は間違いなくほろ酔いFIRST TAKEです(笑)。

K:ほろ酔いFIRST TAKEはYouTubeとかtwitterでは、、、

蛍:絶対やらないです、広まっちゃうじゃないですか(笑)。nanaだからできる気軽な遊びなんです。酔っ払ってる時は普段出せない自分が出せて気持ちいいんですよ。みなさんにもお勧めします。

K:今度ほろ酔い企画を考えてみます(笑)。

きっかけはnanaるday

K:さて、蛍さんは打ち込みもピアノもアレンジもできるということが分かってきたのですが、オリジナル曲を作る計画もあるとお伺いしました。

蛍:はい、今年出せればいいかな〜くらいにほんわか進んでます。私が小説というか歌詞を書いて、他の方が曲を作ってくれるという予定です。

K:そうそう、小説も書くんですよね?実に多彩。twitterの小説面白かったです、続きが気になりました。文章を書くのもお好きなんですか?

https://twitter.com/hotaruki21/status/1354264386341244934?s=20

蛍:ありがとうございます。文章書くの好きです!中学校くらいから書いてて、nanaを始めてから火が付きました。twitterの小説はこの後、、、どうなるんでしょう、私も知りたいです(笑)。あれで完結という想定だったので全く考えてないです。

K:残念です(苦笑)。ここまで来ると声劇台本も書けそうですね。

蛍:実は台本は別のアカウントで書いていたんです。でもパスワード忘れてログインできなくなっちゃって。10本くらいは書いたと思うんですけど、名前とアイコンが花だったことしか覚えてないです(笑)。

K:サポートの問い合わせでいちばん多いのは「ログインできなくなった」です。気をつけてください(苦笑)。しかし、nanaでできることは全部やってますね。しかもnanaだけでなくクロスメディアで創作活動を展開されていて、本当に多彩。今後の野望はありますか?

蛍:小説からオリジナル曲をつくって、その小説を出版したいです。いける気がするんですよ、楽しそうだし。

他には踊ってみたもやってみたいです。って言ってももう撮影終わっててお試し版は公開したんですけど、フル版をどうやって公開しようかなって。nanaか、YouTubeか、TikTokか。色々考えてます。それももっちーさんからなんですけど(笑)。

https://twitter.com/hotaruki21/status/1385541459965796354?s=20

K:もっちーさんの影響大きいですね(笑)。nanaで繋がって交流が始まったんでしょうか?

蛍:nanaるdayってあったじゃないですか。そこでお会いしたんです。

K:え!nanaるday来てくれたんですか!それは嬉しいです。あとで集合写真見てみます。

※編集長Kはnanaるdayの企画者でもあります(T_T)司会者の都合がつかない数回は実際に司会もしていますが、蛍さんが参加した回はKeiCさんという方が司会をしていました。

蛍:nanaるdayのおかげでnanaのオフ会とかもやるようになったんです、あそこから色々始まりました。現実世界でnanaの人と繋がれたからこそ、いま色々挑戦できているし、オフ会で新しい歌を知ってまた歌ってっていうループがたくさんできているし。すごいnana楽しいです!

K:またやりたいなとは思うんですが、いまは開催できそうにありません。

蛍:また開催されたら参加したいです!本当に楽しいのでnanaには色々感謝しています、ありがとうございます!

K:こちらこそありがとうございます!ピアノ演奏やほろ酔い楽しみにしています(笑)。

蛍:期待しないでください(笑)。


蛍さんのインタビューいかがだったでしょうか。

「機械」の物理的な正体はアプリでしたが、蛍さんの勉強と努力によってつくられた制作環境こそが機械の正体だったと言えるでしょう。

伴奏投稿だけでなく歌や絵、小説、踊りなど多彩な蛍さんには、どの話からお伺いしようか迷ったのが正直なところ。話も盛り上がり実際のインタビューは1時間半以上のボリュームで、記事にまとめるのが大変でした(苦笑)。感じたのは、勉強家でありチャレンジャーであること。モチベーションに溢れ、お話をしているだけでエネルギーをもらえる、そんなユーザーさんでした。

また、蛍さんの伴奏投稿の背景にnanaるdayが出てきたことに企画者として感動を禁じえません。nanaるdayの企画自体は2018年。最近になってnanaるdayがきっかけで出会い、新しい創作が始まったという話を聞くようになりました。音楽をきっかけに人と人が繋がって何かが始まっていくこと、その中にnanaがあること。これからもみなさんのきっかけになれれば嬉しく思います。

ワタクシ個人としては蛍さんの小説とオリジナル曲、そして次のほろ酔いFIRST TAKEが楽しみです(笑)。ワタクシはあまり飲まないのですが、お酒が好きなみなさんは#ほろ酔いFIRSTTAKEで投稿してみてくださいね!

取材・執筆・編集:編集長K

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