

ユーザーピックアップ vol.08 Kiokioさん「2,000日ぶり初投稿の訳は?ユニークな音楽人生!」
Jul 20, 2018気になるユーザーにnana荘大家のつじイヌがインタビューするユーザーインタビューのコーナー、今回はご無沙汰投稿シリーズ第二弾!!nana登録から2,000日ぶりに初投稿したKiokioさんに、その謎を突撃インタビュー!
元祖DTMer女子でミュージシャン、ボーカルトレーナーなどユニークな音楽経歴を持つ彼女に色々とお話を聞いてきましたわん!
目次
バンド=不良!?
伴奏作って歌うために機材を揃えた元祖DTMer女子
電話リクエストに応えレコードをかける日々
nana創設直後にインストール、しかし削除?
6年ぶりに戻ってきたnanaにはたくさんのユーザーが
一石三鳥の腹式呼吸!投稿は3〜4テイクで。
ハモれるようになろう!
つじイヌ、以下つ:初めまして!本日はよろしくおねがいします!
Kiokio、以下K:よろしくおねがいします!
つ:Kiokioさんは音楽学校のシアーミュージック松山校で講師をやられているそうですが。
K:はい、ボーカルトレーニング、キーボードなどの講師をやっています。
つ:講師をやられているということは音楽歴長そうですね。どのようにして音楽のお仕事をされるようになったのかnanaのユーザーさんも興味があると思います。そのあたりのお話から聞かせてください!
バンド=不良!?
K:小さい頃から家にオルガンがあって、ほぼ独学で練習して弾いていました。その後、高校に入ってバンドを始めました。
つ:軽音とかですか?
K:私が高校生の頃、バンド=不良って風潮があって、今みたいな軽音楽部とかは禁止の学校が多かったんです。
つ:若い人には想像もつかないと思いますけど、そういう時代ありましたね。
K:でもバンドやりたいなーって思ってたんです。
それで、高校に入ってクラスの自己紹介で、「バンドやりたいです!」って自己紹介したんです。
つ:なるほど。アピール大切ですね。
K:そうしたら、剃り込みの入ったお兄さん達から呼び出されて。
つ:え、まさかのコクりですか!?
K:いやいやw。でもドキドキして、何だろう?って思って。で、行ってみたら、「あんた、バンドやりたいんやてね、うちのバンドでギターやらへん?」って。当時はビー・バップ・ハイスクールって漫画が流行ってて、リーゼントとかソリコミのヘアスタイルが流行ってたんです。学校も普通科、商業科、農業科とあって、農業科の子たちはみんなそんな感じのファッションでした(笑)。
私は普通科だったんで、なんで農業科の先輩に呼び出されるんだろうって思ってましたが、同じクラスの子が自己紹介の時の事を覚えてて、その先輩に話したらしく、それで呼び出されたみたいです(笑)
つ:ギター弾けたんですか?
K:中2の時に知り合いのおばさんからガットギターをもらって、それをかなり練習してたんです。簡単なコードは押さえられたし、曲も何曲か弾けたのでなんとかなるだろうって思って引き受けました。
※ガットギター:ギターの弦がナイロン(テニスのガットのような弦)のギター。
つ:どんな曲をやってたんですか?
K:THE MODS です!激しい雨が俺を洗うーっ的な(笑)。
つ:あー、ロックな感じですね。
K:そうなんです。エレキギター持ってなかったんですが、先輩がテレキャス借してくれて。なので最初はギターをやってたんですが、その後新しくギターの子が入ってきてキーボード担当になりました。
つ:でもまだボーカルじゃないんですね?(笑)
K:結局バンドではギター、キーボード、サックスとやりましたが、ボーカルだけはやらなかったです。
つ:サックスも!?
K:ちょうどチェッカーズブームだったので、やる羽目になって(笑)。
伴奏作って歌うために機材を揃えた元祖DTMer女子
K:その後先輩が卒業してバンドができなくなって打ち込み、多重録音を始めました。当時は今みたいにコンピュータもないし、それこそガレージバンドみたいなソフトもない。4トラックのMTRとシンセとリズムマシーンを買って家で多重録音をしていました。
※MTRとはマルチトラック・レコーダーの略で、複数の音を別々に録音して、同時に再生できる機材。ドラム・ベース・キーボード・ボーカルなどを一人で多重録音できる。当時はテープレコーダーに録音していて、4トラックだと一本のテープに4つの音を別々に録音することが可能。言わばnanaもスマホでできる簡易MTRです。
K:当時、打ち込みとかできるエレクトーンとか出てきてたんですが、安くて60万くらい。さすがにそこまでは手が出せないのでMTRやシンセサイザーを買って打ち込みやってました。
つ:でも、当時それだけの機材を揃えるとなるとかなりお高かったのでは?
K:そうですね、35万くらいはかかったと思います。親に頼んでローン組んで、バイトして返済しました(笑)。
つ:おー、高校生でそれだけの機材!それこそ元祖DTMer女子ですね(笑)。
K:はい(笑)、それで自分でオケ作って歌ってました。
つ:そういう意味で、スマホ一つでこんなにお手軽に多重録音できて、しかも楽器できなくても誰かの演奏にコラボして歌える、そして聞いてもらえるって今はnanaがあって幸せですねw
電話リクエストに応えレコードをかける日々
つ:その後音楽関係の仕事をされるんですか?
K:地元で大阪ゆうせんに就職し、モニターの仕事をしてました。
つ:ゆうせんって、お店のBGMを提供するサービスですよね?チャンネルがいろいろあって、演歌から歌謡曲、落語とか選べるアレですよね。
K:そこでリクエストを受けてレコードをかける仕事をしてました。
つ:レコードなんですね!
K:そう、レコードのシングル盤!電話がかかってきて、「松田聖子の赤いスイートピーかけてください」とかリクエストがあると、レコードを探してターンテーブルに載せて、音楽かける。
つ:へー、電話のオペレーターまでやってたんですか?
K:各放送所には一人しかいなくて、電話受けて、レコード探して、レコードかけてを一日やってました。
つ:まじですか!ひとりで全部やってたんですか?大変じゃなかったですか?それこそ何千枚もあるレコードの中から探してきてレコードかけるんですよね?
K:レコードは歌手名であいうえお順に並んでるので、探すのはそんなに大変じゃないんですけどね。でも、田舎なのでそんなにリクエストは来なくて、ほぼ自分の聞きたい曲をかけてました(笑)。いろんな曲を聞けて楽しかったです。

つ:プロとしての音楽活動はされていたんですか?それはいつ頃、どういうきっかけで?
K:約20年前に音楽活動をしている知り合いに連絡して、紹介してもらいプロとして音楽活動を始めました。コーラスとキーボードとしてボーカルのバックバンドで。いきなりプロとして始める事になったんですが、なるほどこうやればいいのねって感じですんなりスタートできました。
つ:いきなりプロですか?度胸がありますね!これまでのバンド活動や音源制作などで下地があったんでしょうね。
K:その後ソロ活動をして、2004年に愛媛町並み博2004のPR隊に応募して、オーディションに受かり、PR活動を2年程行いました。
それからソロ活動や3ピースバンドをやり、そんな活動の中で音楽のネットワークが広がり、知り合いに声をかけてもらって音楽スクールのシアーミュージックに誘われて講師になりました。
nana創設直後にインストール、しかし削除?
つ:ここでnanaの話に戻りたいんですが、Kiokioさんがnanaに登録されたのが2012年の9月。nanaがスタートしたのが2012年の8月でしたのでスタート直後に登録されています。が、投稿が無いまま、最初の投稿が今年の始めということで約2000日ぶりに投稿されています。
今回、Kiokioさんにインタビューさせて頂く事になったのもそこをお聞きしたかったからなんです。そのいきさつを教えてください。
K:確かネットの広告か記事を見てnanaを知ってダウンロードしてみたと思います。
つ:ダウンロードしてみてどうでしたか?
K:ユーザーも少なく投稿内容もまだまだのレベルの人が多く、正直、これはちょっとなんだろうなって思いました(笑)。その時にやろうと思ったのは、オリジナルとかをアップして聞いてもらえたらいいな思っていました。どんなサービスなのかも分からず、YouTubeの画像なしみたいなものだと思っていました。自分の楽曲のプロモーションになればいいなと。
つ:あー、プロが使う音楽プロモーションのサービスのようなものだと思っていたんですね。だから、音楽のクオリティもまちまちだし、どうなんだろうって。
K:コラボするっていう意味もよく分からず。勝手に人の伴奏で歌って怒られないのかなって(笑)。
つ:まだnanaもユーザー数が数千人で認知度も低い状態でしたからそう思われるのは仕方ないですね。一日100投稿もない状態でフィードに1時間に数サウンド上がってくる状態でしたからね。
K:しかも1分半しか録音できないってどういうこと?って(笑)。これじゃオリジナルもアップ出来ないなと。なのでこれは使えないなと思ったのが印象です。そのままいつかスマホから削除してました。
6年ぶりに戻ってきたnanaにはたくさんのユーザーが
つ:そんな見放していたnanaですが、それから6年後に初投稿するきっかけは何だったんでしょうか?
K:知り合いに吉田博さんというミュージシャンがいて、彼がJPOP JAMというオープンマイクイベントをやっていたんです。
つ:あ、吉田さん!nanaでもSessionというオープンマイクイベントを2回ご一緒させて頂いてますね。

K:その吉田さんがJPOP JAMとnanaを連動して集客しているって記事をたまたま見かけたんです。その時、nanaを使ってというのを聞いて、「え、何?nanaを使ってって何?」と思ったんです。nanaって人が来るのかなって?
つ:あー、nanaをアーティストさんだと思ったw
K:そうそうw で調べたらアプリなんだと。
つ:その頃、すっかりダウンロードして登録までしたnanaの事は記憶のどこにもなかったんですね(笑)。
K:そう。え、アプリが来るの?って。nanaのアプリの人が来るの?って(笑)。それでnanaをインストールしようとしたらダウンロード履歴が出て、え?どういうこと?インストールしてる?って。
つ:AppStoreでダウンロードしているとクラウドの履歴のマークが出てきますからね。
K:で、インストールしてみたら登録済みですって。アカウントがあることにびっくりして、FaceBookアカウントでログインしてみたらフォロワーに教え子がいたので、あー、昔インストールしてたんだって思い出して。
つ:ようやく記憶が蘇ってきた(笑)。
K:で、色々とサウンドを聞いてみたら当時と違ってユーザーさんも多いし、クオリティの高い方がたくさんいて。それでどうやってお客さん集めたりしてるんだろうって思ったら、告知とか書いてあったりして、なるほどと思ったんです 。それで吉田さんをnanaで見つけて、フォローして、コラボしたり歌ったりしたのが今年の始めですね。
つ:それが6年ぶりの初投稿ですね!
K:それから生徒さんとかに教えたりして。当時、コラボとか言って知らない人が勝手にコラボして怒られたりしないのかしらとか思ってましたけど、大丈夫なんだと安心したりして。
つ:久しぶりに使ってみて使い方はわかりましたか?
K:はい、たくさん歌われていたので、人のを見て、あーこうやって使うんだってすぐにわかりました。それで吉田さんのサウンドにコラボして。それから投稿するようになりました。
自分がやらないのに生徒さんに勧めるのもあれだしなって思って。
つ:生徒さんは結構nana使われてたりしますか?
K:そうですね、私が始める前から使ってますって方もいましたしねー。
つ:久しぶりに使ってみたnanaですが、どんな印象でしたか?
K:カラオケは毎回同じように音が流れますが、nanaでの伴奏は弾き手によってテンポやリズム、雰囲気も変わってくるので歌い方も変わってきたりします。実際の人間とセッションしているわけではないですが、新しい自分の歌も発見できるかもしれないし、いろんな伴奏で歌う練習もできます。
あと、90秒なので一発録りの時の集中力が保てます。自分の歌を録音して保存しておくことができるので、後で細かいところをチェックしたりできる材料になりますし、手軽に家で歌えるので楽しいです。
これが私の考えるnanaの良いところです。
一石三鳥の腹式呼吸!投稿は3〜4テイクで。
つ:ぜひnanaユーザーへのボイストレーニングをひとつおねがいします!
K:腹式呼吸はメリットが大きいので試して欲しいです。呼吸方法には腹式呼吸と胸式呼吸の2つがあります。胸式呼吸だと肺が横に膨らみ、胸や肩や首の筋肉を使うので声帯の周りが固くなりリラックスして歌えません。
大きく胸式で息を吸ってみるとよくわかりますが、胸の上の方を膨らますので、声帯周りの筋肉を硬くしてしまい喉が締まったり音程がフラついたり、息が短くなったりします。腹式呼吸だと横隔膜を下げてお腹の下の方を広げて肺に息を溜めるので、お腹で息のコントロールがしやすくなり、喉周りを硬くせずに歌うことが出来ます。
また、たくさん息を溜めることができるので声も長く伸ばすことができメリットが多いのです。
肺が横に膨らむことがないので、胸や肩の筋肉を使うことがなく、喉をリラックスして歌うことができます。寝てる時の状態が腹式呼吸です。あの状態はすごくリラックスしている状態になってます。

nanaで投稿する時、何回も録り直すと思いますが、腹式呼吸で歌っていると声も枯れにくくなりますし、声帯のまわりを固くしないで済む歌い方ができます。
つ:あと、高い声とかってどうやったら出せますか?裏声とかになったり、そうすると声が不安定になってしまったり。
K:そういう時こそ、腹式呼吸でお腹周りの筋肉を使えるので支えになるんです。
声の高さ、量をコントロールする支えにもなるので、一石二鳥、三鳥にもなるんです。胸式だと肩のまわりに力が入って声も震えますし息も不安定で短くなります。なので腹式呼吸に変えてみるだけで変わるんじゃないかなと思います。これを今日30分練習するじゃなくて、普段の生活の中で腹式呼吸すればいいんです。
つ:普段の生活は腹式呼吸じゃないんですね?
K:そう、普通は胸式呼吸になってます。私は普段の生活から腹式呼吸なんですが、普段から腹式呼吸に変えると自然と歌も腹式呼吸になると思います。テレビ見てる時とかも腹式呼吸を心がけておくとよいと思います。
おしゃべりするときも腹式呼吸にしておくと声も通りやすくなりますね。
つ:nanaの録音のコツってありますか?
K:みなさん何回くらい録り直すかわからないんですが、私は大体3〜4テイクくらいです。
つ:へー、そうなんですね。よく20テイク録るとか、2時間歌ってるとか聞きますが
K:やりすぎると色んなとこが気になってしまいますよね。一番ここを大切に歌いたいってとこがあれば、そこをメインに、それ以外をプチ妥協するというのがよいと思います。全部が全部完璧にはできないと思うので。
音程とかが正しく取れたより、全体の雰囲気がすごくいいなっていう方がよいと思います。あまり細かいことは気にしないで。気に入らなかったら後で消せるし。なので雰囲気がいいのを選ぶようにしたらいいんじゃないかなと思います。
ハモれるようになろう!
つ:nanaの楽しみの一つにコラボされる楽しみというのがあります。楽器はコラボされるんですが、ボーカルにコラボされることはない。ただし、エアハモだとコラボされる。
K:エアハモってなんですか?
つ:予めボーカル用に伴奏にハモリを入れておくことをエアハモっていいます。
K:あー、なるほど!ハモリですね!
つ:どうすればハモリができるようになりますか?
K:まず最初は、プロの歌のハモリを聴いて、耳コピして真似をするのが一番ですね。わかりやすいハモリはゆずとかですね。ゆずとかはわかりやすい音でハモってるんですよ
つ:なかなか難しそうね。
K:じゃあnanaでハモリの練習をやってみましょうか!
つ:あ、面白いですね!
K:私がハモリパートを用意するので、それを何回も聞いて歌って覚えてください。覚えたら別のメロディーサウンドにコラボしてみてください!上手く歌えたらぜひ投稿してみてください!
また、決まったハモりではモノ足りない人へのアドバイス!
メロディの音から3度や5度の音 (ドから数えるとミやソに充たる音)からスタートして自分で好きなように何度も歌ってキレイに聴こえるハーモニーを見つけていく練習をしてみるのもいいと思います。
曲は久保田利伸さんのLA・LA・LA LOVE SONGとゆずさんの栄光の架橋です。
🎧栄光の架け橋 / ゆず
♪ハモリ(お手本)
♪メロ
♪メロ+ハモリ(お手本)
🎧LA・LA・LA LOVE SONG / 久保田利伸
♪ハモリ(お手本)
♪メロ
♪メロ+ハモリ(お手本)
つ:最後にもし、今後のイベントなどあれば教えてください。
K:BJDAN feat. KIYOKA vol.4というイベントが8月6日(月)にスタジオOWLというところであります。このライブハウスを中心に活動をしていて、吉田さんも一度ここに来られてからのお付き合いです。
つ:Jazz Funk Sessionとかめちゃめちゃ楽しそうですね!このお三方のライブ、ファンキーな予感です!

つ:本日はありがとうございました!
今回は様々な音楽経歴をもつKiokioさんにお話を伺いました。
バンドやってると不良とか、テープに多重録音して伴奏作っていたとか、今は便利な世の中なんだなと思いました。
記事では紹介できませんでしたが、ドラムの神様村上ポンタ秀一さんとのドラムとボーカルだけのセッションなど、とんでもない経験もお持ちの方です。ぜひ彼女のアカウントをフォローしてnanaでコラボしてください。
次はあなたにつじイヌが突撃インタビューするかもしれません。次回をお楽しみに、わん!