ボイストレーナー田原先生の「nanaで歌うまボーカルレッスン」vol.4 〜声を響かせる共鳴〜

Sept. 17, 2018

nanaユーザーのみなさんいかがお過ごしですか?ボーカルスクールVOAT講師の田原です! 


今回で第四回目を迎える誌上ボイトレですが、たくさんの方にフォローしていただいて本当にうれしく思っています!

練習用音源でコラボしてくださった皆さんの音源も聞かせていただいていますよ!みなさん一生懸命練習されていて、素敵だなぁと感じています。今回は発声シリーズの第三弾として、共鳴についてのお話をしたいと思います。では早速始めましょう!!



体という楽器を知ろう

以前からお話ししている通り、声というのは息と声帯と共鳴によって形作られます。

このうち、共鳴というのは少し実態がわかりづらいかもしれませんね。これは、色々な楽器をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

例えば、バイオリンがなぜあの形をしていて、違う形のバイオリンが一般に普及していないのかを考えてみましょう。


バイオリンという楽器は歴史的に見ると、様々な形を経て現在の形に出来上がってきたそうです。これはより良い音を追及するために、音が響く空間の形を様々に変化させてきたことを意味しています。その中で最も美しく響く形にたどりついたのが現在の形であり、あの形でなければバイオリンの音色は成り立ちづらいわけです。

他の楽器を見渡してみても、ほとんどの楽器は決まった形をしていますよね。それだけ、音が響く空間の形が音色に影響するということです。

逆に色々な形の個体が存在する楽器の代表はギターですが、やはりボディの形状が違うギターを弾くと、かなり音が違って聞こえることがわかると思います。

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また、空間の形状や大きさが影響するのは音色だけでなく、音量にも非常に強く影響します。

基本的には楽器の空洞が大きいほど、楽器の音も大きくなると考えていただいて良いと思います。

先ほどのギターの例でお話しするならば、ボディの中に空間がないタイプのエレキギターを弾いたことがある方はわかると思うのですが、アンプを通さない生の音はすごく小さいんですよね。それに対してアコースティックギターはボディの空間が大きいので、あれだけしっかり大きな音が出るわけです。


さて、人間の体も歌声を出すための楽器だとするならば、体の中の空間をどのような形にするのかということが、声の音色や音量に大きく影響するということがおわかりいただけると思います。では、体の中には声に関係するどんな空間があるのかを見てみましょう。

 



●口腔

これが最もわかりやすく、かつコントロールもしやすい空間だと思います。

はい、口の中の空間ですね。すごく簡単に形が変えられるにも関わらず、実は多くの方が歌うときにこの空間を十分に使えていないんです。

試しにご自身が歌っている映像をスマホで録画して見てみてください。


思った以上に口を開けずに歌っていることがわかると思いますよ。こんな大きくて自由にコントロールできる空間があるのだから、活用しない手はないですよね!


●咽頭腔

これはちょっとイメージしづらいかもしれませんが、喉の奥、ベロの向こう側から喉仏にかけての空間だと思っていただければいいと思います。

このスペースをコントロールするのは簡単ではないのですが、声の音色を作る上でとても大事な空間です。専門的なエクササイズを重ねることで、きちんとコントロールできるようになりますよ!


●胸腔

胸を軽くポンポンと叩いてみると、胸の中はかなり音が響きやすい空間であることがわかると思います。特に男性が低音域を出した時には、この空間に音が響くことが体感できる方もいらっしゃることと思います。声が細く感じる方はこの空間の使い方を身に付けると、太さのある声を作っていくことができるケースが多いですね。


●鼻腔

人間の鼻の中というのは想像以上に複雑な形をしていて、アレルギー等でこのスペースが詰まってしまっていたりすると、かなり声の音色に影響を及ぼします。風邪や花粉症などで鼻づまりになると声でわかりますよね。

それくらい鼻の空間は声にとって重要なものだということです。特に高音域を開発していく際にこの空間を意識することが多いですね。

また鼻の空間の状態によっては、音程の感じ方にも差があるという報告もあります。音程が合いづらい方で、鼻の治療をした結果、音程が良くなったという生徒さんも実際にいらっしゃいました。

普段は気にしない鼻の空間が、歌う上ではとても重要なんですね。


その他にも、頭蓋骨の中にある小さな空洞なども声の共鳴に関係していると言われています。体の中にある様々な空間を響かせることによって、色々な声を作ることができるんですね。



共鳴を豊かにするエクササイズ!

●母音のフォームを覚えよう!

言葉には子音と母音があります。

たとえば「sa(サ)」の場合、「s」が子音で、「a」が母音です。

母音というのはつまり「あいうえお」のことですね。この母音を発声するときの口の開き方をきちんと覚えることが、口腔の共鳴を豊かにする第一歩と言えるでしょう。ここでは一番簡単な「オ」と「ア」の形を練習してみましょう!


まず口の中にタコ焼きが一つ入っていると思ってください。

そのタコ焼きを潰してしまわないように口の中のスペースを保ったまま「オー」と発音してみましょう。


このとき、口の中は開いていますが、口の入り口はきちんとすぼめて「オ」の形にするのがポイントです。このとき、口の中の空間に声が響いていることが感じられるでしょうか?これが理想的な「オ」のフォームです。

そして、その「オ」から、口の中の形はそのままで、唇をたてに開いて「ア」の発音をしてみましょう。このとき、あまり横に開きすぎないように気を付けながら、縦に開けることを意識しましょう。

この「オ」と「ア」の形を覚えたら、サンプル音源に合わせて、発声練習をしてみましょう!


男性用:



女性用:



●あくびの声

顎を十分に開いて大きく空気を吸い込んでみましょう(顎関節症など顎にトラブルのある方は、無理のない範囲で行うようにしてください!)。

喉の奥の空間が大きく広がるのがわかるでしょうか。

その形を保ったまま、だらしなく声を出してみましょう。ちょうどあくびをしながら声を出すようなイメージですね。

この状態で声を出すことで、咽頭腔や胸腔の響きを感じることができると思います。もちろんこの声で歌を歌うわけではないのですが、ボイストレーニングでは感覚を掴むためにわざと大げさな声を使って練習を行います。なので、先ほどの口の形の練習もそうですが、「こんな変な声で歌いたいわけじゃないのになぁ」という心配は無用ですよ(笑)!


サンプル:



ではこのあくびの声で、サンプル音源に合わせて発声練習をしてみましょう!このとき、高い音になっても喉の空間を狭めないように、十分にあくびを意識しましょう。


男性用:



女性用:



●ハミング

続いては鼻腔の共鳴を体感してみましょう!

口を閉じた状態で「んー」と声を出してみます。いわゆるハミングという状態ですね。このとき声が鼻の方に抜けていく感覚がわかりますか??この感覚が鼻腔共鳴の体感の第一歩です。

では続いて、口を開いた状態で「んー」と言ってみましょう。舌根で喉の奥をふさいでしまう状態です。この状態でもきちんと鼻の方に音が抜けていきますか??もしそれがうまくいっていれば準備はOKです!


それでは、サンプル音源を参考にしながら、口を開けたハミングから、徐々に舌を下げて喉の奥を開いていきながら「んーあー」と「あ」に変化させていきましょう。このとき、鼻の共鳴の体感がなくならないように「あ」にしていくのが大事なポイントです。


悪い例サンプル:



良い例サンプル:



これがうまくできるようになったら、音源に合わせて音程をつけて練習してみましょう!


男性用:



女性用:




今回は共鳴についてのお話でした!

これまで3回にわたって発声についてのお話をしてきましたが、次回は音程のお話をしたいと思います。お楽しみに!

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田原伸浩 http://nana-music.com/users/6500217/ ヴォーカルスクールVOATボイストレーナー。年間数百名のレッスンを通して蓄積したノウハウを元に、一人ひとりに合った発声や歌唱の方法をご提案しています。個性を損なうことなく、より魅力的な歌唱ができるように、ご希望を伺いながら理想に近づいていくためのお手伝いをさせていただきます。歌を始めたい、もっとレベルアップしたい、個性をなくさず声を良くしたい、個性を見つけたい…などなど、歌に関する悩みがある方はぜひレッスンにいらしてくださいね! http://www.voat.co.jp/

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